かなりご無沙汰なのもあり、ひとまずリハビリ代わりにボリュームの少ないものを選びました。
本ブログでも過去にいくつか書きました「作詞家・井荻麟の世界」。
今回は『戦闘メカ ザブングル』のエンディング曲である「乾いた大地」です。
『戦闘メカ ザブングル』という作品について
『戦闘メカ ザブングル』は、1982~83年放送のロボットアニメ。監督は富野由悠季。
内容は戦闘メカ(ウォーカーマシン)に乗った主人公ジロンたちがザブってザブってザブりまくる冒険ロボット活劇です。
作品の舞台となる惑星ゾラは西部劇風の荒れた世界ですが、支配階級「イノセント」が与えた
「泥棒、殺人を含むあらゆる犯罪は3日逃げ切れば全て免罪」
という「3日限りの掟」が存在しています。
加害者は3日逃げようとするし、被害者は3日追いかけて果たせなければあきらめねばなりません。
それがこの星のルールであり、「3日限りの掟」は、この星に住む人間「シビリアン」の価値観全体に大きな影響を及ぼしています。
例えば、惚れっぽく冷めやすい、長期的でなく刹那的な人生観、理想より現実、ルールを与える上位存在への盲従など。
物語は、両親を殺したならず者ティンプ・シャローンを、掟の三日を過ぎても追いかけ続ける変わり者の少年ジロン・アモスが登場して動き始めます。
「乾いた大地」は、このような作品のエンディング曲です。
この曲名は、西部劇風に荒れ地と砂漠ばかりの惑星ゾラの大地から来ていると思われますが、水分量のことだけでなく、「3日限りの掟」が支配するドライでサバイバルな社会の意味も含んでいるでしょう。
それでは「乾いた大地」1番の歌詞を引用しつつ、具体的に見ていきましょう。
『戦闘メカ ザブングル』ED「乾いた大地」
キングレコード (1998-08-21)
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もしも 友と呼べるなら
許して欲しい あやまちを
いつかつぐなう時もある
今日という日は もうないが
生命(いのち)あったら 語ろう真実
乾いた大地は 心やせさせる
乾いた大地は 心やせさせる
心の中の友に呼びかけるような詞ですが、ポイントはここ。
「許して欲しい あやまちを いつかつぐなう時もある」
ごく普通のフレーズが並んでいますが、舞台である「3日限りの掟」の惑星ゾラをうたった詞と思えば、見方は変わってきます。
どうやら「友」に対して、何かあやまちを犯してしまったようですが、惑星ゾラでは3日過ぎれば、どのようなあやまちであろうと、基本的に償う必要などないはずです。
「友」の方も、3日以内に報復なり何なりケリをつけられないのなら、それは自分が悪いのであり、何の罪にも問えません。もう終わったことにするのがこの星のルール。
これに関しては、上沼相談員「償わない」、南光相談員「償わない」、ゲストの瀬川相談員「償わない」、そして弁護士の先生も「これは償う必要はないですね」という、『バラエティー生活笑百科』ではありえないパーフェクトな結論が出ております。
でも歌詞では「今日は無理だったが、いつかつぐなう(時もくるだろう)」などと意味不明な供述をしており、警察では精神鑑定も含め動機の解明にあたる方針です。
惑星ゾラには今と、今から3日後までしかない。
「いつか」などという、途方もない不定の未来など存在していないのです。
『戦闘メカ ザブングル』のエンディング曲にも関わらず、その作品世界と矛盾した歌詞。
これは一体どういうことなのか?
「3日限りの掟」を無視した「いつか」
社会的なルールでは免罪されているようなことを、それでも「いつか友にあやまちをつぐなう!」と強く想うことは、言ってみれば個人的なこだわりに過ぎません。
イノセントから定められた「3日限りの掟」を逸脱した、自分だけのこだわり。
すなわち、この人は自分だけの持論を持っているわけです。
……持論を持つ?(いつもの)
持論を持つ
▼
じろんをもつ
▼
ジロンヲモツ
▼
ジロ・デ・イタリアは自転車レース
▼
ガゼッタ・デロ・スポルトはイタリアのスポーツ新聞
▼
カゼッタ岡は宇宙人
カゼッタ岡、おまえいったい何星人?(m.c.A・T)
ということで、持論を持つこととディフェンスに定評があるといえば、ジロン・アモス。
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ここまでの流れに異論!反論!オブジェクション!のある皆さんも、ここについては同意頂けることかと存じます。
主人公ジロン・アモスが、親のかたきを3日過ぎても追い続けるような、常識はずれの変わり者であることはすでに紹介しましたが、「乾いた大地」での、いつか友につぐなうのだ、という(惑星ゾラ基準で)非常識な歌詞は、これに重なります。
ひとまず、与えられた社会ルールより、己の感情や信念を優先するジロン・アモスをあらわす歌詞としておきましょう。
ただし歌詞はこの後、ジロンのこだわりを吹き飛ばすような惑星ゾラの厳しい現実をうたいます。
惑星ゾラで生きるための厳しい現実
「今日は無理だったが、いつかつぐなう(時もくるだろう)」という個人の想いを歌った後の歌詞は、こう続きます。
「生命(いのち)あったら 語ろう真実」
つまり、想いを果たすには「まあ、俺もお前(友)も、お互いこんな世界で生きてまた会えたらな」というシビアな条件が付きます。
いつか真実も語り、友につぐないたいが、いつ死んでもおかしくない。何が起きても変じゃない。そんな時代さ、覚悟は出来てる、ということですね、要するに。おお、なんてヒューマン。
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西部劇風世界の惑星ゾラで生き抜くのはそれぐらいシビアであるという現実がここで語られ、曲はサビに入ります。
「乾いた大地は 心やせさせる」
環境は人の心に大きな影響を与えてしまう。惑星ゾラの大地、3日限りの掟が支配する生存競争の世界は、人の心をやせさせる、つまり、疲弊させ、貧しいものにしてしまう。
このサビの部分については、1番以降もこうなっています。
2番 : 「乾いた大地は 心すさませる」
3番 : 「乾いた大地は 心こおらせる」
シビリアンの心はやせた上に、荒み(荒れて、刹那的に、粗雑になり)、凍って(冷たく、無感情に、高山厳のようになって)しまう。
このサビの部分で表現されているものは、シビリアンが惑星ゾラで生きる厳しい現実なんだろうと考えます。
曲の前半では、社会ルールを逸脱した、個人が理想とする強い感情をうたいながらも、後半は、それを果たすためには人の心を痩せさせ、荒ませ、凍らせるような世界で生き残らなければならないという現実を歌う。
この順番がちょっと面白いですね。
想い(理想)→厳しい現実、であって、現実→想い、ではないところが。
だが、悲観は感じない。
「まあ、命あったらね」と、現実は現実としてドライに明るく受け止めている印象を受けます。
気晴らしにロシアンルーレットやるのがシビリアンですから。
最後に昇る朝日(サンライズ)を浴びるエンディング・アニメーションの力もあって、不思議と希望やたくましさを感じながら、この曲は幕を閉じます。
乾いた大地を、みんな走れ!
主人公ジロンが乾いた大地を走る姿から始まるこのED曲は、惑星ゾラの厳しい現実を歌いながらも、それに反逆するジロンのこだわりもまた歌っていて、それが最終回「みんな走れ!」の全員で走るエンディングにつながっているんだろうと思います。
物語ラストに、この世界では恐らく見捨てられるのが普通であろう存在になったエルチは、仲間たちから離れるためひとり荒野に飛び出します。
それに気づき、追いかけてきたのはジロン。
主役機ザブングル(エルチ)と二代目主役機ウォーカー・ギャリア(ジロン)の追いかけっこが始まります。
ちなみにジロンが追いかける方向は、エンディングでジロンが走る方向(←)です。
ただしエンディング・アニメーションと違うのは、走って追いかけてきたのが実はジロンだけではないということ。
仲間たち全員が、エルチとジロンを迎えに走ってくる。追いついてくる。
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惑星ゾラ基準では特殊なこだわりを持っている超変わり者ジロン・アモスは、ED「乾いた大地」にあるように、たった一人で走っていたのですが、この作品が終わりを迎えた時には、一緒に走る仲間たちが生まれていました。そこにはちゃっかり敵対していたキャラクターたちも。
みな、この惑星ゾラで生き抜いてきて、主人公ジロンに良かれ悪かれ影響を受けたシビリアン、いや地球人たちです。
惑星ゾラと呼ばれる地球での彼らの走りは終わらない。
お互いに肩を貸し合いながら走り続けるでしょう。
厳しい惑星ゾラの現実と、それに流されずに持論にこだわるジロンの想いを同時に歌う「乾いた大地」は、『戦闘メカ ザブングル』という作品世界を十分に表現しており、すばらしいエンディング曲です。
そして全50話を見て「乾いた大地」も繰り返し聞くことで、いくつもの孤独に走る夜を越え、最終回「みんな走れ!」のあのエンディングに辿り着くための曲です。
あなたも、彼らと友に「乾いた大地」を走ってみませんか。
かすんだ地平の向こうに果たして何が見えるのか………?
何が見えるんでしょうね。
さて。
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今夜はお前とカタカム・ズシム(関連記事紹介コーナー)
では最後に、このブログで過去に書いた記事の紹介を。
『戦闘メカ ザブングル』関連記事
基本的にそれぞれの記事は独立していますので、順番に読まなくても大丈夫です。
惑星ゾラで生きるための、たったひとつのルール。<"異世界もの"としての戦闘メカ ザブングル>
本記事でも紹介した「三日限りの掟」と、最終回エンディングについての記事です。
ブルーストーン経済によるシビリアンコントロール<『戦闘メカ ザブングル』惑星ゾラ開発史>
『ザブングル』の舞台である「惑星ゾラ」が、ロボットアニメの物語世界として出来上がるまでを、富野監督の手記を元に追いかけます。分かりやすくするために図を入れてあります。
ジロン・アモスの持論に基づくダブルスタンダード<『戦闘メカ ザブングル』のイノセント・ワールド>
上のブルーストーン経済記事の続編というか、補遺拾遺のような記事ですが、独立して読めます。
ウォーカーマシンとリアリティのハンドリング <『戦闘メカ ザブングル』が生んだ「フィクションチャイルド」>
『ザブングル』で感じるリアリティとは何か?なぜウォーカーマシンは「ガソリンとハンドルで動くロボット」なのか?人工人類シビリアンとはなんだったのか?などなど。
「作詞家・井荻麟の世界」関連記事
こちらは井荻麟作詞の曲をテーマにした記事です。
シンデレラ・カミーユは、地球で過去と対峙する<『機動戦士Zガンダム』挿入歌「銀色ドレス」とフォウ・ムラサメとの出会い>
『機動戦士Zガンダム』挿入歌「銀色ドレス」の歌詞を追いながら、カミーユが地球に降りた意味を解説します。
「MOON」から「月の繭」へ 菅野よう子から井荻麟へ <『∀ガンダム』が第1話から最終回までに獲得したもの>
同じく『∀ガンダム』後期ED「月の繭」の歌詞を追いながら、「MOON」と対比します。
最終回までに獲得したものはなにか?という意味で、今回の「乾いた大地」に通ずるものがあるかと思います。
それでは最後に今回のお題「乾いた大地」の歌詞「いつかつぐなう」という想いに応えて、改めてこのすばらしいエンディング曲を聞きながら、お別れするとしましょう。
いつか、いつか、いつか……。
『機動戦士ガンダム』からRX-78、主役ロボットであるガンダムが登場するということで公開前から話題になりました。
このガンダム登場シーン。
初代ガンダムが、後のシリーズ作品である『ガンダムZZ』の主役機ZZガンダムの決めポースをするということで、Twitterなどで違和感の表明や批判なども見かけました。
また、これに対する批判として、制作側のコメントを引用したり、(何らかの)愛はあるのだ、というような弁護も見受けられました。
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私はこの予告編を見た時に、ZZポーズがどうこう以前に、物語の設定上のこともあるだろうけど、ガンダムへ「変身」することにアメリカっぽさを感じました。自分自身がガンダムになる。俺がガンダムだ。
日本で同じようなシーン(ガンダムで戦う妄想の具現化)がつくられるとしたら、恐らく白いノーマルスーツを着て、コクピット内で後ろから照準をぐいっと前に持ってくるというコクピット内のアムロの動作を「見得」として表現するような気がします。
日本のロボットアニメ的には、ロボットを操縦する少年(アムロ)になりたいからね。
例外的なZZガンダムのヒロイックポーズ
『レディ・プレイヤー1』でのガンダムは、オンラインゲームのプレイヤー(ダイトウ)が使用する一種のアバターのようなものなので、物語設定上でもガンダムへの「変身」で問題はなく、そこを踏まえておくことは重要でしょう。
このシーンで、ガンダムと一体化した変身を完了したダイトウに「見得」を切らせたい、と考えるとしても、ヒーロー物のような分かりやすい「見得」は『ガンダム』(特に富野ガンダム)にはほとんどありません。
それでもあえて富野ガンダムから引用したければ、必然的にZZのあのポーズが選ばれる可能性は高いのではないでしょうか。
確か『レディ・プレイヤー1』のスタッフ発言では選んだ理由として、シンプルに「かっこいいから」というような事を語っていたと思いますが、そもそもシンプルに「かっこいいヒーローポーズ」を探しても選択肢はかなり少ないわけです。
個人的には、愛がない/あるなどの批判や弁護以前に、これが本質的なところであり、なおかつ興味深いところだと思っています。
例えば、ZZの合体シーンを手がけたという越智博之さんのツイート。
レディ・プレイヤー1 のガンダム出撃。空中で一瞬取るあの決めポーズの元ネタは、やっぱりコレなんだろうか。
— 越智博之 (@Corporate_X) 2018年4月19日
実はコレ、自分が描いたものなんだ。えらい昔の仕事だが。#レディ・プレイヤー1 pic.twitter.com/flwPQBQKmM
シリーズの途中からZZの決めポーズが無くなったのは、富野さんの意向です。監督が手を入れたコンテで具体的な指示が出ています。
— 越智博之 (@Corporate_X) 2018年4月19日
自分は#1のときZとは意識を変えてコミカルな芝居を入れろと演出に指示しているのを見てスーパーロボットに寄せてみたんですが、どうやら好みではなかった様子で。
この合体バンクが許されるようなコメディタッチで『ガンダムZZ』の物語は始まりましたが、後半にシリアス路線への修正があったことが、決めポーズの消失に影響があったのかも知れません。
それはマシュマー・セロやキャラ・スーンといった、前半のコメディ路線で活躍したキャラクターが、後半の物語に登場するために(強化人間として)人格を変更させられたのと同じように。
もちろん全体の話として、富野監督が自分が手がけたロボットアニメ作品内での「かっこいい決めポーズ」が好みではないというか、ひとつの方向性として意図的に取り除いていた、ということもあるでしょう。
ZZガンダムのあのポーズにしても、操縦するロボットという観点で言えば、ロボットの動作は全て操縦の結果であって、あの決めポーズをわざわざ操縦しているのですか?という話ですし、仮に合体バンクよろしく、合体時のオート機能の賜物であるならアナハイム正気ですか?という話にもなるわけです。蛍原さん、正気ですか?(ケンコバ)
ちなみに今川泰宏監督の『機動武闘伝Gガンダム』では、モビルスーツによるケレン味あふれる「かっこいいポーズ」が頻出しますが、エクスキューズとして、この作品のモビルスーツはパイロットの動作を再現(=トレース)するモビルトレースシステムを搭載しており、ダイトウのガンダムアバターと同じく、操縦ではなく一体化した状態です。
ガンダムの動きやポーズは、モビルファイター(格闘家)の動きやポーズそのものなので、何も問題はありません。
『レディ・プレイヤー1』でのダイトウのガンダムは、そういう意味では『Gガンダム』に近いものといえるでしょうね。
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登場シーンのあとの戦闘シーンはどうなのか
ちなみに、予告編を見たあと、実際に劇場で『レディ・プレイヤー1』を見に行きましたが、ガンダムでの戦闘シーンは(映像としての)ガンダムっぽさはありませんでした。
アムロっぽい動きもないですし、戦う相手である巨大なメカゴジラをビグザムに見立てたようなカット割りもありません。
ですがこれはアバターで変身したダイトウによるアクションシーンなのですから、当然なのです。
ただ、予告編のZZポーズでどうこう騒ぐ意味は肯定であれ否定であれ特に無いと思いますが、この戦闘シーンの方が「ヘイ!アメリカンにカッコよくしといたぜブラザー。クールだろ?」感は正直あります。
アムロの操縦ではなくダイトウのアクションなので、もちろん間違ってはいない.。
間違ってはいないが、ガンダムっぽさがあるかどうかといえば、特にガンダム感はない。
とはいえ、登場シーンに関しては『レディ・プレイヤー1』はハリウッド映画であることや物語の設定、それを踏まえた登場時の演出上の要請を考えると、選択肢の少なさからZZのポースが選ばれるのは妥当ではないか、と個人的には思います。
『ZZ』への愛とか、あれがいちばんカッコいいガンダムのポーズかどうかとは以前の問題として。
「ガンダム、大地に立つ」と「ラストシューティング」
と、いうわけでヒロイックな見得切りポーズが少ないファーストガンダムですが、日本人的な感覚だと、ガンダムが胸から排気しながら立ち上がり目が光る、いわゆる「ガンダム大地に立つ」シーンだけでも、充分にヒロイックさを感じているような気がします。
単に寝てるところからよっこらせと立ち上がっているだけなのですが、『機動戦士ガンダム』の、そして今となってはガンダムシリーズの極めて象徴的なシーンですからね。
ファーストガンダムには他にも印象的なアクションがいくつかありますが、第一話の「ガンダム大地に立つ」と合わせて、もっとも有名で人気があるのは最終話の「ラストシューティング」ではないでしょうか。
シャアが乗るジオングとの最終決戦で頭部と片腕を失ったガンダムによる、長い戦いを締めくくる最後のアクション。
以前の記事に書いたことがありますが、『機動戦士ガンダム』最終局面での、ガンダムの頭と片腕の吹っ飛ばしは、最後の大サービスといえるでしょう。
子供時代から、頭(と片腕)を失ったガンダムには最終回ならではの特別感(サービス)を感じていたと思います。
子供の私は大喜びだったわけですが、あの場面で傷ついていくガンダムにガックリきたり、テンションが下がったという人の話は、少なくとも私の経験では聞いたことがありません。
頭と片腕がなくても、生理的嫌悪感も倫理的罪悪感も感じる必要はない機械の体。
要するにこれこそがロボットという肉体だと思うんです。
いくつかの意味で傷つくことを(簡単には)許されない、事実上のスーパーロボットだったガンダムが、身体に欠損を生じながらも戦う姿、これこそ「傷つくことを許された肉体」であるロボットならではの戦闘シーンです。
「たかがメインカメラ」と言えるすごさ
『機動戦士ガンダム』はシリーズ化され、さまざまなガンダムという機体が生まれますが、角つきのあの顔であればガンダムというぐらいに、顔自体がヒロイックなシンボル(物語内でも商業的にも)となっています。
その顔がジオングの攻撃によって失われた時、アムロはこう言い放ちます。
アムロ「まだだ、たかがメインカメラをやられただけだ」
これはかなりすごい台詞で、ガンダムのシンボルであるあのヘッドが、アムロ・レイにとっては「たかがメインカメラ」であるというのは、のちにリアルロボットと呼ばれるこの作品らしい認識であると思います。
さらにはメインカメラという重要な機能を失っても、ニュータイプであるこの時のアムロなら戦える、シャアのジオングを追える、という『機動戦士ガンダム』だからこそ到達した最終話の台詞でもあります。
私は未読なのですが実際、マンガ『機動戦士ガンダム サンダーボルト』では頭部を失ったら戦えなくなるという描写があるという話も聞きました。
ガンダムサンダーボルトで個人的に好感度高いのは、アタマを吹っ飛ばされたモビルスーツがみんな戦えなくなるところですよ。吹っ飛ばされても平気なくらいなら、最初からアタマなんてつけませんよ。大事だからついてるんですよ。
— もくば (@soratobu_uma) 2016年3月20日
ロボットの頭部が重要なメインカメラやセンサーの機能を持つ部位であるという世界観で、それを失えば、普通の人間だったらまともに戦うのはかなり難しい、というのは想像はつきます。
アムロの台詞は、ヒーローロボットの頭を「たかがメインカメラ」であるというリアリティに置いた上で、飾りでなく機能をもった頭部を失っても、なお戦えるニュータイプが登場したこの作品ならではの発言と考えると、大変興味深く、すばらしいものだと感じます。
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「RX-78 ガンダム」のアイデンティティ
さらに言えば「ラストシューティング」のシーンでは、オートで動く無人状態で、パイロットのアムロは搭乗していません。
つまり「ラストシューティング」は、ガンダムの顔も無い、主人公のアムロも乗ってない、何だかよく分からない片腕のロボットが演じるラストシーンなのです。
しかしTVシリーズ第43話を、映画でも3本の劇場版を見てきた者にとって、あれは紛れもなく応援してきたガンダムで、直前にアムロと分離したことで、より純粋にロボットとしてのヒーロー性、シンボル性が高まったようにも思えます。
顔のないロボットによるラストシューティングは、今も『機動戦士ガンダム』屈指の名場面としてシンボル化されています。
ガンダムの顔ついてないのに。 主人公が乗ってないのに。
映画『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』では、このラストシューティングがポスター化もされています。
(検索したらちょうどAmazonでこのポスターが出品されていた)
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TVアニメ作品の映画化であり、すでに「ラストシューティング」が名場面として認知されていたとはいえ、そして他にもポスターがあるとはいえ、大胆なポスターです。
『機動戦士ガンダム』と言いつつ、肝心のガンダムの顔がどこにもないわけですから。
それでもこのポスターが作られたのは、玩具(商品の顔)として、キャラクターとして、大事な頭部を失っているけれども、ラストシューティングをするあのロボットというのはガンダムでしかありえないのだ、という事なのでしょう。
ガンダムフェイスを失ってなお、いや失ったからこそ成立するキャラクター・アイデンティティ。
のちのシリーズが示すように「あの顔」を持つロボットこそが特別なモビルスーツ「ガンダム」と呼ばれます。
でも始祖たるファーストは、「あの顔」を失っても「ガンダム」と呼ばれる境地に到達している、といえるかも知れません。
頭部などたかがメインカメラだと、そう言えるニュータイプによって。
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おまけ『宇宙世紀残侠伝 片キャノンの政』
ラストシューティングと言えば有名なのは、ここまで書いたように当然ガンダムのあれです。
しかし同じく最終話、リックドムに一撃もらうものの、倒れ込みながらの片キャノン(片乳的な表現)で通路の先のリックドムを撃ち抜いた、ガンキャノンのラストシューティングもかなりの美技で、個人的には大好きです。
え?ガンタンク? ハヤトは……ハヤトは……がんばってたよ!うん、がんばってた。
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もしガンキャノンのパイロットになれたら、あの倒れ込みながらの片キャノンの練習だけしようと思います。
そして、「片キャノンの政(まさ)」みたいなあだ名で恐れられるぐらいになって、
「キャノンを2発とも同時に撃っちまうのは素人のすることよ」
「お、おめえは片キャノンの政!」
といった感じで背後から颯爽と登場したい。
「か、片キャノンの政……知ってるぜ。奴の片キャノンで仕留められなかった機体はねえ」
「……じゃあ両肩にキャノン積まなくていいような?」
「バカ野郎!奴は前方と直上の敵を同時に左右の片キャノンで撃ち抜けるって話だ」
「見ろよ、なんてえキャノンさばきだ……」
「奴のガンキャノンの赤は、返り血を浴びた真っ赤な血の赤よ!」
……片キャノンの政、同時に2発撃ってるな。
まあ、彼にとって同じところに2発同時に撃ちこむのは無意味ぐらいの意味かな。
いや、どうでもいい。片キャノンの政の発言の整合性なんて死ぬ程どうでもいい。
ていうか、そもそも片キャノンの政ってなんなんだよ。誰だよ。
関連記事
「ロボットチャンバラ」としてのガンダム<ビームサーベル戦闘論>
本稿でも触れた「傷つくことを許された肉体」であるロボットの戦闘シーンについての記事。
ガンダムが「ガンダム」である意味
ファースト以降のガンダムは物語的にも、メタ的にも全てフェイクである、というまとめ。
ファーストとは違い、フェイクだからこそガンダムフェイスの存在が重要であって、失うわけにはいかないものになっています。
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今回は昨年2017年度のご報告となります。まっこと遅くなり申した。
単なる怠惰の産物であり、どきゃんもこぎゃんもあらしまへん。
2017年中に書いた記事数は、6本。
そのうち富野アニメ関係の記事は4本(実質5本)と、最低限の義務は果たしたというか、上出来じゃん!という思いでいっぱいでございます。
どの記事も面白い自信はあるのですが、世間の評価とアクセス解析の結果を見る限り、ほとんど誰にも読まれてないし、誰にも評価されていないという有様。
それが本当に妥当かどうかチェックするチャンスが今、幸運なあなたに与えられました。
(「妥当でした」というリアクション不要です)
2017年度 珠玉のブログ記事(もう何も言うな)
「永遠のフォウ」は耐えられるが、「ロザミアの中で」は耐えられない
フォウ・ムラサメが三度死んだとき、ロザミアはようやく兄を見つける。<『機動戦士Zガンダム』「ロザミアの中で」でのカミーユの絶望>
『機動戦士Zガンダム』第48話「ロザミアの中で」を見ていく中で、フォウ・ムラサメの「三度の死」を検証します。
「ロザミアの中で」は劇場版ではカットされた要素なのですが、尺の問題以前に、劇場版のラストに向かうためにはカットする以外の選択肢が無い、という事が重要です。
劇場版『Zガンダム』は、ラストの変更が話題になることが多いですが、『ブレンパワード』、『∀ガンダム』、『キングゲイナー』と当時の作品を追っていれば、何一つ驚きはなく、実際に予定調和的なものでした。
ですから劇場版に関しては、ラストに注目するよりも、ラストを変更するためにどのような再構成がされたか。さらにいえば「何が取り除かれたか?」を考える方が面白いかも知れません。
その視点の一助になる記事ではないかと思っています。
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沈まなかったアーガマに帰らなかった魂
「帰れる船」としてのホワイトベースとアーガマの対比 <『機動戦士ガンダム』での優しい嘘の共同体>
TV版『機動戦士ガンダム』にだけ存在する「光る宇宙」でララァに取り返しをつかないことをしてしまった直後、ホワイトベースに帰還したシーンについての話。
劇場版は素晴らしいのですが、やはり私の心のベースはTV版なのです。
長い旅路の末、ホワイトベース内部には疑似家族的なコミュニティが成立します。
アムロはニュータイプであるがゆえに、この疑似家族的なコミュニティへの最後の参加者になりました。
そしてこの終盤のホワイトベースとアーガマを比較します。
「ロザミアの中で」で同じように傷ついて母艦に戻ったカミーユに待っていたものは果たして何か。
ということで、先の「ロザミアの中で」解説記事に接続します。
ぜひ2つの記事をセットでお楽しみ下さい。
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パンダ目暗殺おじさん、一世一代の晴れ舞台
わがままはディアナの罪、それを許さないのはみんなの罪 <『∀ガンダム』第44話 「敵、新たなり」のミドガルド、女王に救いを求めて走ること>
『∀ガンダム』第44話 「敵、新たなり」の解説記事なんですが、主役は完全にパンダ目暗殺おじさんことミーム・ミドガルドになっております。
ここまでミドガルドおじさんに寄り添った記事はないのではないか、と思っていたのですが、今改めて読み返すと、寄り添ってはいるけど全然ミドガルドに優しくないですね。
殺し殺されたらカーニバル(中森明菜)の回だから仕方ないかな。キスは命の火です。
記事後半には、おまけとして『∀ガンダム』でよく言われる「ギンガナムへの責任の押しつけ問題」について書いています。
ある種、こちらの方が本編のような気もします。
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誰が悪いんじゃない。みんな貧乏が悪いんだ。
異世界にアメリカ人が5人。天才がふたり、軍人がふたり、さて残るひとりは? <『聖戦士ダンバイン』での地上人 from USA>
『聖戦士ダンバイン』では、現世から異世界バイストン・ウェルへ召喚されてしまった人間(地上人)が何人も登場します。
その中で、アメリカ国籍を持つ地上人5人にスポットを当てた企画です。
いちばん書きたかったのは、マーベル・フローズンについて。
そして彼女との関係を考えることで明らかになる主人公であり日本人ショウ・ザマの立ち位置についてです。
ショウはダメな主人公と言われることがありますが、そこには日本や日本人ゆえのという部分が見え隠れします。
良くも悪くもアメリカという国との付き合いが、日本には強い影響を及ぼしていますが、バイストン・ウェルでもショウの前にはさまざまなパターンのアメリカ人が登場いたします。
さて、どのアメリカ人を友人として付き合いましょうか?
そんな視点でお読み頂けたら楽しいかと思います。
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海南大附属の王者・牧紳一は本当にすごいのか問題
基準(物差し)となるキャラクターから考える物語<『スラムダンク』『キャプテン翼』『機動戦士ガンダム』のパワーバランスとキャラクターの格>
バトル(スポーツ)物の作品における、キャラクターの「格」についての記事。
こういった作品でキャラクターが強くあるために必要なのは、身体能力とか必殺技とかではなく、「格」なのです。
『スラムダンク』、『キャプテン翼』などの名作マンガを例に記事は進みますが、後半『機動戦士ガンダム』の戦闘バランスの話になって、そこから結局いつものガンダム漫談が始まります。
本当は『スラムダンク』、『キャプテン翼』のパートだけでも、ちゃんとひとつの記事として成立してると思うんですけどね。
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どうしていっちゃうんだよロベルトォ!
四人兄弟を養う日向家 VS 居候ロベルトを養う大空家 <『キャプテン翼』小学生編でのキャラクター経済格差>
純粋にサッカーマンガ『キャプテン翼』の記事。ガンダム漫談に脱線したりもしない貴重な記事。
『キャプテン翼』小学生編における富裕層と貧困層の戦い。
それがいかに現実に存在するワールドサッカーの構図そのものか、ということを解説します。
そういえば、大空家に居候していた時のアル中天パおじさんこと、ロベルト本郷の金回りってどうだったんでしょうか。
元プロ選手とはいえ、アル中寸前の浮浪者のようにまで身を崩したロベルトはお金持ってたんですかね。
渡航費用や日本での検査費用、日常の大空家でのご飯など、大空キャプテンのご好意というイメージがあるんですが、どうなんでしょうね。
名目(ロベルトに負担をかけないための建前)は翼の個人コーチとしての居候とか何とかで。
つまり何が言いたいかというと、小学生編ラストでブラジルに帰国する渡航費用は誰の金だったんだろう、という。
そもそも大空キャプテンは、自分が長期航海でほとんど家を空けるのに、まだ若い自分の妻と、たくましい元スポーツマンしかもラテン系サッカー選手だったロベルトを平気で同居させるという、大変懐の大きな人物です。
翼ママ「バスタオル用意しておくの忘れちゃったわ。入るわよロベ(脱衣場に入ってくる)……」
ロベルト「(ちょうど浴室から出てきた全裸ロベルト)……ママさん」
翼ママ「ご、ごめんなさい!(あわてて扉を閉める)」
だから昔から良くネタとして妄想してたのは、ロベルトのブラジル帰国の真の理由です。
ロベルトの手紙「翼、おまえはこの日本にいてもきっと素晴らしい選手になれる。おれがいなくともおまえはきっとそうなれる。翼、サヨナラだ。……P.S. ママさん、愛しています」
翼「どうしていっちゃうんだよロベルトォ!」
飛び立つ飛行機を見上げながら、思わず自分のお腹を抑えてしまう翼ママ。
翼。ロベルトはいっちゃったからブラジルへいっちゃうのよ。
そして翌年、翼とは全く似ていない浅黒い肌とチリチリの天パをもった次男が大空家に生まれるのだった。
《 『キャプテン翼』小学生編・完 》
……みたいな。
ただひとつ言えることは、私の中で大空キャプテンは大海原のようにとてつもなく大きく、懐の深いド変態だということです。(あくまで私の中で)
2018年の抱負など(もう一ヶ月分終わってますが)
以上、選びに選びぬいた、珠玉の2017年ブログ記事でございました。
2018年もどうせ大して記事の数は書けないと思いますので、せめて中身は充実野菜であって欲しい。せめて充実であれ。
『機動警察パトレイバー』のシリーズ記事がストップしているので、何とか再開したいです。
もう一度、胸のエンジンに火を入れるのはなかなか大変なのですが、2018再起動が今年の抱負です。
あと言いたいことは、ファブリーズのTVCMですね。
パパ役に千鳥ノブをキャスティングしているのは喜ばしいことですが、標準語しかしゃべらせないことに何の意味があるんじゃ!ノブが死ぬ!
「シンプルに靴がくさい!」「さすがママじゃ!」など合わせやすいセリフにも出来るのに、せっかくの「神の『じゃ』を持つ男」に標準語のセリフ与えて何がしたいんじゃ!
このCMを企画した無能な広告代理店やCMディレクター、そしてOKを出したメーカーは、猛省のため智弁和歌山高校のノックを受けて頂きたい。
ということで、2月に言うことではないですが、今年もよろしくお願い致します。
次の記事でまたお会いしましょう。
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よく登場する出撃ハッチに隣接した部屋で、パイロットスーツのままなので、ホワイトベースに帰還したすぐ後なのだろう。
出撃したカイ、ハヤト、セイラに加え、ハロと子供たちまで来て、アムロを囲んでいる。
ちなみにこれはTV版だけのシーン。
今回の出撃でアムロに何があったかは誰も、いちばん距離的に近かったセイラですらきちんと分かっていないだろう。
それでも帰還した直後のアムロを囲んで、恐らく「大丈夫か?」といった心配している。
それに対してアムロの方も、「取り返しのつかない事をしてしまった」直後にあれほど号泣していたのに、皆に笑顔を見せる。
この場面での台詞のやりとりはアムロとハロだけで、セイラやカイ、ハヤト、子供たちの台詞は省かれているが、描かれていないことでそこに恐らくあったであろう自然なやりとりやフォローを想像させてくれる。
アムロ 「大丈夫です、戦えますから」
アムロ 「な、ハロ、大丈夫だろ?僕」
ハロ 「アムロ、ノウハ、レベル、ユウリョウ、ユウリョウ」
アムロ 「ははは、ありがとう」
心配した?ハロが太鼓判を押してくれた「脳波レベル優良」が皮肉めいている。
そうなのだ。アムロの脳波は優良すぎて、戦場で敵パイロットとつながってしまうほどに強い。
それが、つい先ほど起きた悲劇の原因でもあった。
しかしアムロは、気遣ってくれる仲間やハロに対して、大丈夫だと笑顔で強がる。
本当は全然大丈夫じゃない、というのはアムロが後の『逆襲のシャア』まで引きずって生きている事で分かる通り、明らかに嘘でしょう。これは一生物の傷で、それが出来た直後なんですから。
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ただこの嘘は、集まってくれた仲間たちの気遣いに対する優しさの嘘である。
ちなみに「戦えますから」の方は、嘘でも何でもなく本当なのは、この後のア・バオア・クー戦で分かる。 (シャアさんに聞いてみよう)
何かを感じ取った仲間たちは自然にアムロのそばに集まり、アムロもそれが分かっていて、ララァを失った直後であるに関わらず、仲間たちを安心させるために笑顔を見せている。
この場面は、アムロとホワイトベースの仲間たちの関係、すなわち疑似家族的な共同体の成熟を示しているといえるでしょう。
これを踏まえた上で、このあと第42話「宇宙要塞ア・バオア・クー」において、今度はアムロが皆を気遣って「作戦は成功します」と宣言するシーンが訪れます。
「脱出」前の帰ってこれるための布石
ジオンのソーラレイにより、レビルの主力艦隊が壊滅した状態で向かう最終決戦、宇宙要塞ア・バオア・クー攻略。
作戦前、不安を感じる皆のために、アムロが力強く発言します。
マーカー 「第二大隊と第三大隊がNポイントから進攻します。我々はルザルを旗艦として残存艦艇をまとめてSポイントから進みます」
ミライ 「いかにも戦力不足ね」
ブライト 「こちらもソーラ・システムを使えればな」
アムロ 「でも、大丈夫だと思います。ア・バオア・クーの狙い所は確かに十字砲火の一番来る所ですけど、一番もろい所だといえます。作戦は成功します」
ブライト 「ニュータイプのカンか?」
アムロ 「はい」
これが皆を安心させるためだけの嘘であることは、直後のエレベータのシーンで早々に明らかになります。
カイ 「アムロ、さっきお前の言ったこと、本当かよ?」
アムロ 「嘘ですよ。ニュータイプになって未来の事がわかれば苦労しません」
セイラ 「アムロにああでも言ってもらわなければみんな逃げ出しているわ、恐くてね」
カイ 「そりゃそうだな。逆立ちしたって人間は神様にはなれないからな」
これはここまで紹介してきたTV版の流れで言えば、ララァを喪った後の皆の気遣いに対する、お返しの嘘ということになると思われます。
このララァ喪失後の皆の気遣い、最終決戦前の不安に対するアムロの気遣いを見て、ホワイトベースが擬似家族的な共同体として完成しているのを確認しているからこそ、最終話「脱出」時のアムロの選択が感動的になるわけです。
なぜならララァの魅力的な誘惑を振り切れるほどに、「帰って来れる場所」もまたアムロにとって大きな存在になっているから。
「ニュータイプをやる」主人公たちがつく嘘
さて皆さん。
『機動戦士ガンダム』の続編であるTV版『機動戦士Zガンダム』においても、最終決戦直前に主人公のニュータイプは嘘をつくのです。
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第48話「ロザミアの中で」で、ロザミアを自らの手で葬ることで喪い、アーガマに帰還したあと、まずカミーユとファの会話。
ファ「ロザミアさんには言い過ぎたのかしら。あの人には罪がないのにね」
カミーユ「ファは、何も間違ったことなんて言っちゃいないさ。ニュータイプも強化人間も、結局何もできないのさ。そう言ったのはファだろ?」
ファ「でも……」
カミーユ「できることと言ったら、人殺しだけみたいだな」
ファ「カミーユ……」(ファ、去る)
この場面でのファは、矢吹丈に「灰のように真っ白に燃え尽きる」話を聞かされた紀ちゃんみたいになっており、悲しそうな顔を見せるが、そのままカミーユをケアせず去ってしまう。
その後、クワトロがなぜか微笑を浮かべながら、カミーユの肩に手を置いて話しかける。
クワトロ「あまり気にするな」
カミーユ「気にしてなんていませんよ。気にしてたら、ニュータイプなんてやってられないでしょ?」(笑顔)

で、カミーユのこの笑顔。
カミーユの言葉が嘘であることは誰もが気付くことですが、クワトロは何も言いません。
おい、ノースリーブ。お前の自室のサボテンに花が咲いているかどうか今すぐ確認してこい。
ホワイトベースのように自然と皆が集まって気遣うシーンようなシーンは無い。
そもそも、それが可能な関係性が出来上がっているならば、カミーユはこの時点ですでにドクターストップになっていただろう。
カミーユ・ビダンはこの時点で己の役割に気づいてしまっているが、そのことに誰も気づかないし、止めようともしない。
クワトロは気づいているかも知れないが何も言わない。
ホワイトベースとアムロは優しい嘘を、嘘と知った上でそれを受け入れる事が出来るような関係を最終的に手に入れたが、アーガマの中には何もない。
お前はアーガマに帰りたいの?
アムロが自らの意思で帰る場所としてのホワイトベースは、ア・バオア・クー戦の中で沈んでしまった。
しかし「帰れる場所」の本質は、当然場所そのものではなく、そこに成立した人間関係やコミュニティにある。
だから、アムロは脱出艇であるランチで待っている皆のところへ迷わず帰ってこれた。
その意味でホワイトベースという場所を最後に失ってしまうことに物語的な意味はあっただろう。
疑似家族的共同体の形成にホワイトベースという船は必須だったが、成立したコミュニティは船を失ったとしても失われない。
そのことがホワイトベースを失うことで明確になる。
ではカミーユ・ビダンはどうか。
最後の戦いが終わった後、カミーユは自らの意思ではアーガマに帰ることができない。
帰ろうとしない、とまで言ってもいいのかも知れない。
アーガマは最後まで沈まなかった。だから帰ってくる場所はある。
場所はあるけれど、そこにはホワイトベースのようなコミュニティは存在しない。
傷ついた魂はアーガマには帰らない。
これはホワイトベースとの対比として象徴的だ。
百式の残骸はそ知らぬ顔で銀河を流れていく。
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あとがきと関連記事
冷蔵庫の残り物でチャーハンを作るように、ありもので2017年内に1記事でっちあげるつもりが叶わなかった。
そのため、元日から記事あげるなんて気合入ってるね!という感じになってしまったが、もちろんそのような甲斐性はない。
成長物語としての『機動戦士ガンダム』と、ニュータイプへ覚醒したアムロが擬似家族に帰るまで辿った「心の回り道」
ホワイトベースで生まれた疑似家族的な共同体と、それに最後のメンバーとして参加したアムロ・レイのお話。
今回の記事と関連したTogetterまとめですので、宜しければどうぞ。
フォウ・ムラサメが三度死んだとき、ロザミアはようやく兄を見つける。<『機動戦士Zガンダム』「ロザミアの中で」でのカミーユの絶望>
今回の記事でも登場した『機動戦士Zガンダム』の第48話「ロザミアの中で」を深く掘り下げた記事。カミーユにとって「ロザミアの中で」がいかに絶望するものだったのか。
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主人公がめぐみんだった。(声:高橋李依)
第1話は、恐らく原作小説(未読)をむちゃくちゃ端折ってると思うけど、アニメだとそれぐらいでちょうどいい。これは小説が冗長というわけではなく、メディアごとの特性と、そこで求められるものの違いということだろう。
あと主人公がめぐみんだった。
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作品内容は、ロボットアニメオタクが、巨大ロボットが実在する異世界に転生して、好き邦題しながら活躍する、といったもの。
「『聖戦士ダンバイン』のショット・ウェポンが主人公」と説明している人もいましたが、『ナイツ&マジック』はすでにロボットが存在している世界であり、むしろ主人公のメタさと見目麗しさと合わせて、転生レディオス・ソープという方が実状に近いかな。(あくまでもMHマイスターとしてのソープね)
舞台となる異世界に「ロボット」というものがすでに存在しているかどうか、というのはかなり大きな違いといえます。
『ナイツ&マジック』は「ロボットのある世界に転生する」という事こそがロボットオタクの夢であるので、これで構わないというか、そうでなければならないでしょう。ロボットを生み出したことがすごい、と言われるのではなく、すでにロボットが存在する世界において「主人公が考えたロボットがすごい」と言われるべき物語なので。
『聖戦士ダンバイン』では、召喚された地上人(ちじょうびと)によってロボットの概念と技術そのものが持ち込まれ、異世界のしくみ(オーラ)や素材と組み合わさって、独自のロボット――オーラバトラーとして結実する。
身も蓋もないこといえば、ロボットアニメである『ダンバイン』という作品には当然ロボットが必要なわけで、そのためにロボット工学の権威であるショット・ウェポンが、主人公ショウ・ザマに先んじてファンタジー異世界に召喚され、オーラバトラーを開発する役割を果たしただけの話といえます。前乗りして準備してくれたわけですね。
だからこそ主人公が召喚され、物語がスタートした第1話では『ナイツ&マジック』同様、バイストン・ウェルはすでにロボットは存在している世界となっているわけです。
それにしても、いくら若きロボット工学の権威とはいえ、生体エネルギー「オーラ力(ちから)」で動くマシンというのは、地上のロボット工学の範疇を大きく越えてる気がしないでもない。天才の2文字で片付くことかもしれないが。
そう考えると、ロボットの欠片もない異世界バイストン・ウェルに呼ばれて、ゼロからロボット(オーラバトラー)を生み出したショット・ウェポンの変態ぶりはなかなか興味深い。
No.1 ショット・ウェポン
Wikipediaで「ショット・ウェポン」の人物紹介を引用してみましょうか。
アメリカ合衆国・カリフォルニア州出身の地上人。28歳。地上ではロボット工学の権威だった。バイストン・ウェル固有のオーラ力を利用して強力なオーラマシンを作り上げドレイクに協力する。詳しい理由は不明だが、一時は幼なじみのジャバと共にオーストラリアで強制労働を強いられていた。漁夫の利を狙う策士で、ゆくゆくはドレイクをも排除し自らが支配者になろうとする野心家である。
Wikipedia:『聖戦士ダンバイン』より
ショット・ウェポンはカリフォルニア出身のアメリカ人です。
その彼が、オーストラリアで奴隷みたいな強制労働に従事していたのはあれ何なんでしょうね。

一応、本人の口からは「アメリカから逃げ出した両親に連れられてオーストラリアに行ったが、学校にも行けず、時代錯誤な労働をさせられた」と語られているので、アメリカで貧困の中、オーストラリア移民にでもなったけどさらにみじめで苦労した、みたいな感じだと思うのですが、若くしてロボット工学の権威になるような人生に、あんな無駄なことしている隙間あるのかな。
(逆にいえば、こんなことしてたのにロボット工学の権威になれているぐらいの天才)
このオーストラリアでの惨めな生活にも、そしてアメリカという国にも心底腹を立てていると語っているので、これがショットの地上での鬱屈であり、オーラマシンの開発者として地上に戻ってきたことが彼にとっての凱旋帰国ということになるのでしょう。
これらは第41話「ヨーロッパ戦線」で、ショットの過去を知る友人ジャバが登場することで、これが明らかになるわけですが、サイコパス的なモンスターの背景や動機を語ることでモンスターがただの人になってしまうように、天才ショットの動機を昔、奴隷のようなひどい目にあった過去があったから、といった前時代的なエピソードにしてしまった感はあります。
召喚される地上人はいずれも、現実世界に対する強い鬱屈を抱えており、異世界バイストン・ウェルでそれを解消しようとするので、ショットにもそうしたものがあるのは当然なんですが、例えば頭が良すぎて独自の超理論が、学会で理解されず受け入れられなかった的な天才エピソードではなく、オーストラリアの強制労働というのがどうしても前時代的な印象を受けます。
(なぜか)強制労働していた屈辱の時期があって、ミュージィと普通に相思相愛で、ドレイクを出し抜いて自らが支配者になろうという野心を持つというショット・ウェポン。
以前少し書いたことがありますが、はっきりいって、ある種まともで、普通の人間すぎるんですよね。黒幕的なことをやるには、あまりにも人間が分かりやすすぎる。
普通人ショットのパーソナリティを強化した延長線上に、アマンダラ・カマンダラやパプティマス・シロッコがいるような気がしますね。
唐突妄想劇場「オーストラリア百億の昼と千億の夜」
過酷な強制労働の1日が終わったオーストラリアの夜。
宿舎の簡素な二段ベッドに、疲労でボロボロの体を横たえるショットとジャバ。
下段ベッドに寝転ぶショットは目をまっすぐ上段ベッドに向けたまま、そこにいるはずのジャバの背中に話しかける。
ショット「まだ起きているか?」
ジャバ「……明日も早いぞ」
ショット「聞いてくれジャバ」
あきらめたように目を閉じるジャバ。
ショット「天才の私が考えるロボットをこの現場で使えば、10分の1の人間で、10倍以上の仕事ができるだろう。その理論はこうだ……(ずっと喋り続ける)」
ジャバ「(ああ、こいつ、体弱いのに炎天下で働きすぎたな……)」
ショット「……ジャバ?」
ジャバ「そうか。そいつは楽になるな。最高だ。そのロボットとやらが出来たらぜひ俺に操縦させてくれ」
ショット「もちろんだ。で、肝心なのは動力機関だが……(喋り続ける)」
ジャバ「……。(すでに寝ている)」
かくしてオーストラリアの夜は更けていく。
< つづく >
妄想はともかく。
前述のとおりロボット戦争アニメなので、ロボット作らないとどうしようもない前提はあるとはいえ、コンピューターも動力機関も、そもそもそれらを作る文明レベルも機械も道具も何にもない状態でも絶望することなく、自分の専門分野であるロボットをとにかく作ろうとしたショットはとにかくブレない。
実際、作品みると、本当にオーラマシン関係しか作ってないっぽい。工房などもオーラマシンの為に用意したものだし。
作品上の役割としてはそれで十分すぎるんだけど、とりあえずティファールみたいな湯沸かしポット作ってみるとか、そういう試行錯誤をしながら、文明レベルをひとつずつ上げていこうか的な過程が見えないので、天才としか言いようがない。
バイストン・ウェルCivilization(シヴィライゼーション)の技術ツリーの中で、「オーラマシン」に関係するものだけを最短ルートで取ったような感じ。銀行制度?知るか!みたいな。
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No.2 ゼット・ライト
現在の視点だと、オーラマシンのコンピュータ・セクションの開発をやったというゼット・ライトの方が開発者としての価値が高いように見えるんじゃないだろうか?

ゼット・ライトはショットと同じくアメリカ人。はい引用(指を鳴らす)。
ショット・ウェポンとともにオーラマシンを開発したアメリカ国籍の地上人。オーラマシンのコンピュータ・セクションの開発は彼の手によるものだが、ショットに手柄を取られ、世渡り上手なショットが自分より厚遇されていることに不満を抱いている。自身の口先では否定していたが、ガラリアに惚れている。オーラ・ロードを通って召喚されたことから、聖戦士として登用された他の地上人達には及ばないにしても、それなりのオーラ力は持っており、地上浮上後には自らオーラマシンを駆って戦うこともあった。乗機はビランビー、バストール、ブブリィ。己と黒騎士とが同様に世渡り下手で武骨な職人気質だったことに気付き、お互いの技術屋魂と騎士道精神とを認め合うが、直後の出撃にて戦死する。
Wikipedia:『聖戦士ダンバイン』より
アメリカのどこの出身なのかは情報が無いようで、少し調べたところでは分からなかった。
詳しい所は良く分からないが、システム系の開発はすべてゼットの功績らしいし、そもそもコンピュータが無いとマシンの制御の前に開発すらおぼつかなかったのでは、と思われる。
ショットにしてみればゼットさまさまなはずだが、世渡りの上手いショットはオーラマシン開発者として厚遇されており、ゼットは不満を抱いている。
オーラバトラー開発の前段階としてゼットのコンピュータが存在するのだとすれば、つまり先ほどのバイストン・ウェルCivilizationで言えば、オーラバトラーの前提テクノロジーとしてコンピュータ(残り9ターン)が必要という状況。
どうやって、あの世界の、あの状況でコンピュータが開発できたんだ。天才だなゼット・ライト。
実際のところ、戦争ロボットアニメとしてはロボット開発が重要なのですが、テクノロジーとしてはオーラの世界で使えるコンピュータ開発の方が、汎用性と世界全体に与える影響は大きいのではないかと現在の視点からも思うので、ゆえにゼット・ライト型コンピュータ物語の妄想を語ろう。
唐突妄想劇場「プロジェクトZ オーラネットワークの夢」
そもそもゼットはコンピュータをハード、ソフト両面でゼロから作れる上に、オーラエネルギーで動くとか、オーラを制御するとか、バイストン・ウェルのよく分からない法則にも対応した天才という事になるので、天才ついでにネットワークについても、ゼロから始める異世界開発してもらうことにしよう。
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その結果『ダンバイン』当時(83~84年)の電話回線を用いたネットワークより格段に早い、オーラテクノロジーを応用した(適当)オーラネットワークの開発に成功。
中世レベルのバイストン・ウェルになぜかWAW(World Aura Web=ワールドオーラウェブ)が導入される事となった。異世界ブロードバンド時代突入である。
「魔法の道具などで事実上のネット通信」ではなく、そのまま現代テクノロジーとしてのコンピューターやネットワークを開発して「中世ファンタジーの世界でインターネットが存在する」という作品は、小説界のアカシックレコードであるWeb小説の世界ではすでにあると思うので、識者の皆さんはゼット・ライトに教えて上げてほしい。
World Aura Web導入後の世界では、SNSが発展するのも時間の問題だと思うので、どこぞの領主が過激な発言をして一触即発になったり、ルーザがビショットのアカウントをフォローしてこっそりDMを送ったりしていることだろう。
あとは多分、アイドル的人気のあるセレブなどはネットでは苦労してそう。
シーラ・ラパーナ「シーラ女王を、性的な目で、見ないで、下さ、い..........と」
< つづく >
妄想はともかく。
ドレイク・ルフトが地上人召喚ガチャでSSR(最上レア)を同時に2枚ひいた豪運の持ち主であることには間違いない。
ショット・ウェポン言うまでもないが、ゼット・ライトも間違いなくSSR人材である。
(聖戦士ガチャの運はそれほどでもない)
汎用的で広く役に立つコンピュータを開発できるゼット・ライトは、野望にあふれるショットがいなければ、ここまで一方的な兵器開発だけでなく、もう少し異世界の生活に直結するような面白そうなことをやっていた可能性はあると思う。
もちろん召喚される地上人は、何らかの形で戦いを受け入れることができるような人材なので、ゼットも例外ではなく、現実世界で何らかのフラストレーションを抱えていたのだろうし、平和的なインテリジェンスはあまり望めないだろうとは思いますが。
ただゼット本人も語っていたとおり、政治家であるショットと違って、ゼットは職人気質の技術屋にすぎないのであって、腕をふるう方向を上手くコントロールしてやれば、多分、妄想したようなこともできるかな、とは思う。
実際には野望をもつドレイクに加えて、野心家ショットがいたことで、単に兵器開発に技術を利用される関係だったのが運命というか、少し可哀想というか。
これもバイストン・ウェルの意思なんでしょうか。
ちなみに地上人はオーラマシン関係の開発しかしてないんだろうか?という疑問については、Twitterにてこんな情報を頂きました。
リーンの翼の小説では、家電を作って輸出などして得た利益で、ホウジョウの国はオーラシップを建造している云々の描写はございました。
— Motoi_Wakamatsu (@Motoi_Wakamatsu) 2017年9月27日
水力発電みたいな描写があった気がします。他国にもそういうインフラの技術を含めて輸出しているイメージですかね。
— Motoi_Wakamatsu (@Motoi_Wakamatsu) 2017年9月27日
なるほど。水力発電ですか。
小説『リーンの翼』においては、地上の技術は、軍事のみに突出せず、バランス良く導入されているようですね。
さすが地上人が国を造って何十年の世界。 多分、営業や広報の地上人も召喚されてる。
No.3&No.4 トッド・ギネス&アレン・ブレディ
今回の記事において、この2人は主眼ではないが、地上人 from USA として少し触っておく。
まずは空軍の先輩であったアレン・ブレディ。

これまたルーツやアメリカの詳しい出身地についての情報はなし。
ジェリル・クチビやフェイ・チェンカと共に召喚された地上人。トッドの空軍時代の先輩であり、彼の召喚は、そのことを知り功を焦ったトッドがショウとの戦いに敗れ消息不明となる間接的な原因ともなる。軍では優秀なパイロットだったようで、オーラバトラーの操縦にも自信を見せていた。
Wikipedia:『聖戦士ダンバイン』より
そしてレッドソックスのお膝元ボストン出身で「東部の落ちこぼれ」を自認するトッド・ギネス。

アメリカ合衆国マサチューセッツ州ボストンの出身で、アメリカ空軍のパイロット候補生であった。23歳。ショウや後述するトカマク・ロブスキーと同時期にシルキー・マウによってバイストン・ウェルに召喚された地上人。ドレイクの聖戦士としてネイビーブルーのダンバインを与えられた。そのままドレイクに掌握された「アの国」陣営の一員として、ショウ、マーベルらギブン家陣営と幾度となく戦闘を繰り広げる。
Wikipedia:『聖戦士ダンバイン』より
この2人はアメリカ人であり、空軍のパイロット出身。当然「聖戦士」として、オーラバトラーに搭乗して戦う役目を負う。
ドレイク・ルフトの野望のもとに、ショット、ゼットというアメリカ人天才技術者が新兵器を開発し軍拡を進め、トッド、アレンといったアメリカ人が実働部隊として、周辺諸国を、そして地上をも侵攻していく、という構図がひとつあります。
例えば新大陸では、異世界の戦争技術の導入に近いことが実際の歴史上であったわけです。
ショットもトッドもアレンも「異世界の兵器」で土地を奪い建国したアメリカ合衆国の人間です。
他の聖戦士は、トカマク(ソビエト)は早々に戦死。ショウ・ザマ(日本)は早々に離反。
あとは、フェイ・チェンカ(中国)と、ジェリル・クチビ(アイルランド)。この2人は出身国よりは個人的背景が核のキャラクターだと思いますが、現在から見るとむしろ出身国が興味深いかも知れない。
今、聖戦士3連ガチャをひいたとした時、3人のキャラクターの出身国をそれぞれにどこに設定するのが面白いだろうか。
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No.5 マーベル・フローズン
ここまで異世界バイストン・ウェルに召喚された4人のアメリカ人を紹介してきました。
では、残るひとりは?
そう。テキサス州はダラスの芋ねえちゃんこと、セクシー眉毛のマーベル・フローズン。

アメリカ合衆国テキサス州ダラス出身の大学生。18歳。実家は牧場を経営。正義感・使命感の強い女性で座禅を組む程度だが禅を嗜む。ショウがドレイク・ルフトの下から離れるきっかけを作り、戦闘でもパートナーとなる。早いうちからナックル・ビーにより聖戦士としてバイストン・ウェルへ召喚されており、ショウ達が召喚された頃には既にギブン家の一員となっている。
Wikipedia:『聖戦士ダンバイン』より
召喚される地上人の鬱屈と、異世界での自己実現については、昔ブログに書きましたが、その地上人の中でもひときわ歪みが少ないと思われるのが、このマーベル・フローズン。
アニメ本編を見る限り、両親との関係、家庭環境も特に歪みは無さそうだし、何よりマーベル自身、ショウと違って対ドレイクのスタンスを自分で決断できるような女性でもある。
もちろんマーベルは主人公の導き手としての役割が大きいので、構造的に歪みを内包しづらいキャラクターなのだが。
しかし現実世界への何らかの鬱屈が、召喚される必要条件のひとつであるとするなら、マーベルも例外ではなくその条件を満たしているのかも知れない。もしそうならマーベルが持つ現実への鬱屈は何か?
これについて以前、記事を書いたのだが、アニメ本編を見る限り、確たる証拠といえるものはなく邪推の域になる、と結論づけた。
今回は妄想劇場を開演している記事という事もあり、あえてその個人的な邪推を話そうと思う。
前述したように明確な根拠はなにもなく、作品を勝手に膨らませて楽しむ与太話に過ぎないが、たまにはそういうのもいいだろう。
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なぜマーベルだけが、ドレイクに手を貸さないアメリカ人なのか
5人の召喚されたアメリカ人の中で、なぜマーベルだけが反ドレイクなのか(そういうキャラクターとして成立するのか)という事を考えたとき、個人的に連想するのは、ヒッピームーブメントとの親和性だったりする。
「正義無きベトナム戦争」への反対運動を発端とし、愛と平和を訴え、徴兵制度や派兵に反発した若者達がヒッピーの中心である。戦争に反対し、徴兵を拒否し、自然と平和と歌を愛し人間として自由に生きるというスタイルで、戦時下にあった全米で一大ムーブメントが起こった。初期は薬物による高揚や覚醒や悟りから出発し、各地にコミューンと呼ばれるヒッピー共同体が発生する。若者を中心に爆発的な人気を誇ったロックバンド「ビートルズ」によるインド巡礼やマリファナやLSDを使用した精神解放等により全米・そして世界へとそのムーブメントは広まっていくことになる。
Wikipedia:『ヒッピー』より
私は世代的にもヒッピー文化は身近ではなく、詳しく学んだわけでもなく、一部の表面的な知識しか持ち合わせていない。
が、まさしく、私のようなレベルの人間がイメージする、「反戦運動」「ラブ&ピース」「東洋思想」「ニューエイジ」あたりのキーワードで示されるヒッピームーブメント。
これはマーベルが「禅」を嗜んでいるから、というだけでもなく、なぜ彼女が明確な反ドレイクのスタンスを取れたのか、という事に対するアンサーとして、あるいは文化的背景としての邪推になるだろう。
もちろんその理由として、そもそもナックル・ビーに召喚され、ドレイクに聖戦士として召喚されたわけではないことが最初に挙げられると思う。ドレイクに迎えられたわけでなく、先に反ドレイクのニー達に会っているなら……というのは流れとしては自然だが、このことはイコール反ドレイクの立場を意味するわけではない。
ドレイクが第一話で地上人3連ガチャを引いたように、なぜショットとゼットと共にドレイクに召喚される立場ではなく、ナックル・ビーが禁忌を破る形でマーベルが召喚されたのか、という理由は本編では語られないし、私が知る限りでは周辺情報としても語られていないと思う。
想像するに、マーベルをドレイクに召喚させると、のちに召喚される主人公ショウ・ザマがあまりにマーベルをトレースした行動を取ることになってしまうので、地上人の出どころのバリエーションの為にも分けたのではないか、という気がする。
ナックル・ビーがなぜオーラロードを開いたのかについても、特に理由は語られないが、キャラクターの配置や主人公の独自性の為であるなら、動機は持ち前の茶目っ気でも何でもいいだろう。
ただ、反ドレイクの聖戦士として戦い、ショウ・ザマを離反させたマーベルがいなければ、バイストン・ウェルはどうなっていたか分からないので、この召喚は結果的に世界を救う超ファインプレーだった。
またこれを、ドレイクの野望の元に集まる地上人とは違う性質の人間を呼び込みバランスを取った、バイストン・ウェルの意思であると考えれば、ナックル・ビーの罪の軽減は妥当な判決だといえるだろう。
話が少し脱線してしまった(いつものこと)ので戻す。
マーベルが反ドレイクのキャラクターとして立てた理由を、精神的には単に「正義感が強い女性」で済ませても良い(実際に本編にそれ以上の情報はない)。
問題は、何も分からない、誰を信じていいいのか分からない異世界で、正義感の強い彼女が何を信じてスタンスを明確化したのか、その背景にあるものは何か、ということだ。
例えば日本人の少年ショウが、なぜドレイクの庇護下に入って何も疑問を感じなかったのか、安心して眠ってしまったのか、という事実は、マーベルと対比できるのかも知れない。
ショウと同じ日本人である我々が安心して眠ってしまう背景にあるものは何か。
はっきりいえばマーベルがヒッピーかどうか、というのは本質ではない。
カリフォルニア生まれはショット・ウェポンの方だし、時代的にもマーベルの人生とヒッピームーブメントがシンクロしていたわけでもないし、マーベル自身、聖戦士として戦場で戦っているわけだしね。
ただ、強力な兵器を開発し軍拡を続け周辺に圧力をかけ、そして飲み込んでいこうというドレイクに対して、あの時点で明確に反対を唱えられるアメリカ人はどういうタイプの人だろうか、という話なので、別に本人がヒッピーである必要はない。ないが、アメリカ人としての文化的背景や文脈として考えてみるのは面白いのでは、と思っています。
他に召喚されたアメリカ人聖戦士であるトッドとアレンは、米軍所属であり、ドレイク側で戦うことに疑問を持たなかった。
日本人であるショウも、マーベルに言われるまでそうだった。
(ソビエト人のトカマクはそういう以前の段階で死んだ)
「正しいキャラクター」ではなく、ひとつの思想的スタンス
マーベルは他の分かりやすい地上人と比べて謎が多い。
ショウの導き手として、彼に自分の立場への疑念を抱かせることで半分以上は役割が終わっているようにも見える。
彼女はショウと比べて、一貫してスタンスが明確であるが、反ドレイクという事を考えたときに、なぜアメリカ人である必要があるのだろうか、というのはポイントになると思う。
バイストンウェルが現実世界と全くの別の世界ではなく、人々の精神がテキストの戦争を演じてさせているのだとするなら、日本人に考え無しにドレイクに与する事の愚かさを指摘するのが、例えばソビエト人であるよりはアメリカ人である方がいいのではないか。その時に、同じアメリカ人がドレイクに与していればなおいい。
ヘイ、ジャップ。ドレイクの所で共に戦おうぜ、というアメリカ人がいて、そのもう一方に、善悪の見境もなしにドレイクに手を貸す馬鹿な男、というアメリカ人がいる。
日本人はそこで自分の立ち位置を考える。ショウは反ドレイクを決断したが、選択の結果が問題ではなく、日本人が立ち止まってどうすべきか考えてみる、という事こそに本質があるはずだ。
そういうバランス感覚は絶対にあると思う。
その上でマーベルをヒッピームーブメントの文脈上のキャラクターと邪推するのは、マーベルが物語中で絶対正義であり、必ず正しい物の見方をしているというわけではなく、あくまでも彼女の思想的なスタンスに過ぎない、という所に置いておくべきではないか、と私が感じるからでもある。それもまたバランス感覚のひとつとして。
空っぽな日本人ショウだからこその公器としての聖戦士
マーベルは、ショウの立ち位置を変化させたら、究極的には(役割上は)いつ死んでもいいキャラクターといえないことも無い。
ただゼラーナ側に他に地上人、それも女性の聖戦士がいないこともあり、最終回まで生き延びたけれど。
ただその最終回で、マーベルは同郷であり元凶のショットを討つものの、ショウはマーベルがこの時に受けたのが致命傷であると、今生の別れであると気付いてくれない。

お互いに手を伸ばして求め合って死んでいくショット&ミュージィとの対比として、ショウ&マーベルの別れがある。
戦いの元凶であるショットにハイパー化せずに勝ったのはショウ&マーベルだが、ショウはマーベルに気づかず、彼女はダンバインと共に一人で海に散っていく。

黒騎士 「確実だな……ダンバイン!」
主役ロボットとしてのダンバインの死、そしてそれに搭乗しているマーベルの死を見届けたのは、主人公ショウではなくダンバインにこだわり続けた黒騎士ただ一人。
第一話でマーベルに「善悪の見境もなしにドレイクに手を貸す馬鹿な男」と言われて、対ドレイクに回り、最終話で「貴方は聖戦士でしょ?まずドレイクを落としなさい!」と言われて、今生の別れと気づかずに素直に戦線に戻る。
マーベルの言葉は、最後まで導き手として主人公ショウに対して機能しているが、皮肉なことにそれがゆえに、人間として、ひとりの女性としてのマーベルの声はショウには届かない。
これが主人公ショウ・ザマなのである。
でもこれについては、80年代、冷戦下の日本人の少年が、異世界へ聖戦士として召喚されたケースとしてはリアリティあると思う。
戦争についての思想的な背景や特別なイデオロギーが何もない。
考えたこともないし、疑問に思ったこともない。
ただ、何もないのは必ずしも悪いことではなく、皆の願いを叶える器としての聖戦士にはその方が向いているのかも知れない。
この「皆の願いを叶える器」としての主人公と、最終回に主人公がなすべき事を示す「導き手」の関係は、のちの『機動戦士Zガンダム』でのカミーユ・ビダンとエマ・シーンを連想させる。
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それにしても、最近の異世界転移、異世界転生ものの主人公は、ショウ・ザマと比べれば本当に意識が高いと思う。
異世界でやりたい事も、やるべき事も持っている(または自分で見つけている)。
でも私はこのダメな主人公ショウ・ザマが好きなのです。
『ダンバイン』でいちばん好きな女性キャラはマーベルなので、最終話のあのシーン見るたび、わー!となりますが。
おまけ ビヨン・ザ・シンゴ
15年程見てなかった『ダンバイン』第45話「ビヨン・ザ・トッド」でのトッド・ギネスの死に際を思い出したら、「いい夢見させてもらったよ……あばよ!」と、ライネックのコクピットの中で柳沢慎吾がウインクしながら親指立てており、以後そのイメージが消えない。
もう柳沢ウィルスによる電脳ハックに近い。トッドの向こうで慎吾がチョメチョメ。
私以外にも、柳沢ウィルスによる感染者が増えることを願い、Google:「柳沢慎吾」のイメージ検索結果をご覧ください。
君はハイパー・シンゴの力に抗えるか。

多分、早口で『ひとりダンバイン』やってくれる(BGM付き)。
黒騎士のくぐもったエフェクト声をやってくれそう。あと、リムルがルーザに返り討ちにあって、眉間撃たれて人形のように倒れるシーンを迫真の演技でやってくれることでしょう。(慎吾の完璧なリムル死に顔コピーをイメージ完了)
え? 柳沢ウィルスに感染した? どうしてくれるって? ……あばよ!(ウインク)
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