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「私の履歴書」富野アニメ体験プロフィールと題しまして、幼少の頃からの富野体験を語りましたが、思いのほか(脱線ばかりで)長くなったので、前後篇に分けました。今回は発動篇です。

接触篇はこちら→「私の履歴書」富野アニメ体験プロフィール【前編】

<前回までのあらすじ>

  • 幼児期、アルバムの写真が全てライダー変身&ウルトラマン光線ポーズになるほど、ウルトラマン&仮面ライダーに狂っていた私だが、ガンダムに出会ってからそれを全てやめる(分かりやすい)。
  • その後、順調に冨野アニメに染まっていくが、「はじめて自分のものと言えるガンダム」であるZガンダムを失い、「Zガンダムは、私の母になってくれるかもしれなかったアニメだ」状態になる。
  • そして、Zの反動ともいえる路線変更をされたZZガンダム。子供向けにされた展開に「こ、こんなのが欲しいわけじゃない!」と子供らしい反発をして、ついにZZ後半を見ないという事態に。

はたして、このまま富野アニメと決別してしまうのか!
もちろん全然決別してないから、こんなん書いてるんだけど!



アムロの子ら


ZZの後半を見なくなったあと、後番のドラグナーあたりも見たりもしたけれど、ガンダムを含めたロボットアニメ全体から遠ざかりつつあった。

『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』


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そんな流れから現れた逆襲のシャア。劇場では見ていない。
モチベーション的な理由もあったが、田舎だったから、逆シャアを上映する劇場まで子供が行くのはかなりの覚悟がいるというのもあった。そもそも交通費、チケット代を含めたお金も全然無かった。

でも富田靖子が出てくる、公開前特番みたいなのは見た気がする。TVだから。タダだから。
ある程度の年齢から上の人しか分からないと思うけど、その昔、ガンダム芸(能)人といえば、富田靖子でしたよね。好きなアニメに、ドラえもんやディズニーやハウス名作劇場でもなく、「ガンダムが好き」と公言する芸能人(ましてや女優)がまだほとんどいなかったころのおはなし。

「逆襲のシャア」を初めて見たのは、劇場公開から2年ほどたった冬休みか何かの地上波放映時。
見終わって、友人らとしばらく「それはエゴだよ」を言い合っていたのを覚えている。
「数学の宿題写させて」「それはエゴだよ」みたいに、ちょっとわがまま言うと、全部エゴ扱い(もちろんエゴの意味はなんとなくしか分かっていない)。そんなハッピーエゴライフを送っていました。

■永遠のアムロ


当時の私の感想は「うまいこと、アムロとシャアをまとめて殺したな」でした。
この感想は基本的には今でも変わってはいない。

Zガンダムを作ったことで、ガンダムに歴史が生まれて、その歴史の時の流れは、アムロ達登場人物にも平等に年をとらせる。
スター役者であるアムロヤシャアはこの世界で、この先どう生きていくのか。
老いたアムロヤシャアがモビルスーツで、若いパイロットに押されてロートル扱いされるのか。
そんな芸能界のアイドルや、スポーツ選手と同じような、逃れられないせつなさを味わうのかも知れない。
さらにその先。
ブライトのようにアムロやシャアにも子供が生まれて、その子もパイロットになり、ガンダムに乗って人殺しをしたり、殺されたりするのかも知れない。その次の子供も、そのまた子供も敵味方に分かれ、殺しあいを続けていくのか。

それを避けるには、2人の時を止めて、永遠の存在にするしかない。
ジェームズ・ディーンのように。松田優作のように。

だから「逆襲のシャア」のラストで、アムロとシャアの結末がああなったのは、子供ながらに納得がいった。
ああなった以上、アムロとシャアの物語は宇宙世紀のこの先、存在できない。
富野監督はもちろん、サンライズや、バンダイもアムロとシャアの未来をつくることはできない。
アムロとシャアをこれ以上誰も触れないように(もちろんそこには富野監督自身も含まれてしまう)、葬ったんだな、と感じていました。

ところが、その後、友人から小説「ベルトーチカ・チルドレン」を借りて読んだりして、アムロの子供の存在を知ったり、「ガイア・ギア」の存在を知ったり、血のつながりは無いけれど、ハサウェイがアムロとシャア、2人の子供になっていったりするのを見て、よく分からなくなっていった。

「アムロとシャアを葬りたかったんじゃないの?」
「俺(冨野)はいいんだよ!でも他のやつはさわんな!」

というのも、まあ、あったりするでしょうが、そもそも「他のやつ」は「逆襲のシャア」でアムロの子供が登場することに反対したんですよね。

当初書き上げた映画シナリオの第1稿は、内部での審査時に「アニメーション映画の主人公が妻子持ちになるのはどうか?」という批判を受けて改訂が行われた。

機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(wikipedia)


アムロに子供がいれば、アムロが身を捨ててでも地球を守りたかった行動がより明確になる。そういう意味でも、「子供を持つアムロ」はとても自然に思える。

だがそういうアムロが存在することは反対されてしまったので、彼は結局、ぼくたちに地球を残してくれたけれども、血を分けた子供は残さずに宇宙世紀から去っていった。

私は映画を見た後で裏事情をいろいろと知ってしまったわけだが、さまざまな思惑や偶然の結果にせよ、アムロやシャアに子供が残されなかったのは良かったと今でも思っているし、「キャラクターにどう始末をつけるのか」という問題としては、非常に示唆に富むサンプルだと思う。

これは今思いついたので、思いつくまま書くけど、庵野秀明は「THE END OF EVANGELION」で、物語とキャラと世界を、全てを終わらせる映画をつくったけど、富野由悠季は「エンド・オブ・ガンダム」は作れない立場なんだよね。ガンダムの世界は続かないといけない。世界は続く。
富野が作るのは「エンド・オブ」じゃなくて、「リング・オブ・ガンダム」なんだよね。
もうそれは、「1周回って」ポジティブなものに感じられるけどね。ターンAも生まれたし。

そういう富野由悠季にとって、アムロとシャアを殺すのは彼に可能だったギリギリの、でも譲れないラインだったんじゃないかな、と思える。実際はどうかは知らない。でももし私なら、アムロとシャアは自分で殺したい。

「逆襲のシャア」はもうひとつ書きたいことがあるけれど、富野体験とは少しずれるし、長くなりすぎるので、独立して記事をつくります。「νガンダムとサザビー、どっちが強いの?」というような記事です。

シャアの動乱以降


『機動戦士ガンダムF91』


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劇場に見に行ったはじめてのガンダム。
この辺りでやっと、自分たちで劇場に行けるようになっていた。公開前特番を見たものの、ほぼ事前情報の無いまま、私の方から友人達を誘い、劇場に行った。
ご存じの通りTVシリーズ化を前提にした企画だったため、物語的にはダイジェスト的になっていて、全てがキレイにおさまる映画ではない。
上映が終わり、館内が明るくなると、友人達が私の顔を見ていることに気がついた。
み、見るな!俺の顔を見るな!俺も、コスモ貴族主義がどうなるかなんて知らなかったんだよ!
世界の風呂敷は全然たたんでないが、シーブックとセシリーの物語としては、うまいことまとまってたじゃないか。な?そうだろ?
「さ、ご飯でも食べに行こうか。」
と、友人たちの視線には鉄仮面をかぶって無視し、劇場を出た。


『機動戦士Vガンダム』


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Vガンについては、カテジナ裁判の記事を書いたので、とりあえずそちらで。
【ガンダム三大悪女】 カテジナ・ルース裁判

この当時は、本当にアニメが無かったし、みんなアニメ見ていなかった。
私もVガンダムとセーラームーンぐらいしか見ていなかった。「アニメがない!」って今ではちょっと考えられないですけどね。ガンダム友人もVガンのときには1人しかいなかった。もともと友達少ないけども。
またこれも今では想像しづらいけど「ガンダム?あったねえそういえば。え?まだガンダムのこと考えてるの?」と言われる時期は何度もあった。みんなガンダムは過去のものとして忘れていたし、そしてそれは自然で当然のことだった。
現在、ガンダムが世代を越えた基礎教養のようになっているのが、ちょっと信じられないという感覚はいまだにある。それは素直にすばらしいことだと思っておくが、正直なところ、リアルタイムの時さみしかったよ、その時にいろいろしゃべりたかったよ、という思いもある。

宇宙世紀の外側


『機動武闘伝Gガンダム』


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富野監督作品ではないけれど、無関係では無いし、Vガンダムの後番だし、リアルタイムでちゃんと見たしで、取り上げておきたい。それに個人的にもガンダムシリーズ内でも重要な位置づけにある。

Gガンダム放映当時のことで思い出すのは、やはり放送前のマイケル富岡と内山君の特番……いや第一話。第一話見た後の感想は「あれ?思ったよりおとなしいな」でした。はじめのうちは暗めで地味なお話が続くんですよね。
今川監督だし、事前に聞いた情報から、もっとむちゃくちゃ破天荒かな、と想像してました。東方不敗が出てくると全て吹き飛ぶのですが。

本放送当時、ネットも無かったので私の周りだけの反応でいうなら、やっぱり「これをガンダムとは受け入れられない」という人もいました。(今もいるのかな)
低年齢層とか、これまでのガンダムを知らない人たちも見れるコンテンツという意味はあったと思います。うちの妹も、これまでガンダム見てませんでしたが、途中からは私が見てる横で見てました。

今だとすっかり「Gガンは熱い」「燃える」で評価が定まった感がありますが、放送中に私が感じてたのは面白いと感じつつも「くやしい」。ひたすら「くやしい」でした。
当時、ガンダムはVまでしか無く、ガンダムで遊ぶのは二次的な創作の役割でした。SDガンダムや、ボンボンの佐藤元さんのマンガ(ぷっつんカミーユ)、そして私たち視聴者が友達とふざけて話すガンダムネタもそう。

でもね、Gガンダムは面白ガンダム博覧会で、しかも今川監督だからパイロットが涙流したら、ガンダムの顔も涙流すんですよ(個人的にはこれが今川監督で、すごいなと思う)。
やられた、と思った。「熱い」「燃える」と言っている場合ではない。
今後、ガンダムで面白ネタを考えても、そのほとんどはGガンダムに回収されてしまう、と思った。

例えば「ガンダムでオリンピックやったときに、各国の代表ガンダムはなに?」なんて、某巨大匿名掲示板のスレッドにいかにもありそうですよね(実際あるかどうかは知らない)。
そのときに「だとするとあれだよね。オランダ代表は風車に手足が生えたネーデルガンダムだよね」「それいいね。採用!」と勝手に考えて、ゲラゲラ笑うのは私たちの役割ではなかったか。

しかしGガンダムでは、こうした私たちのバカ話のようなガンダムを、大河原邦男やカトキハジメがデザインして、1年間のガンダムシリーズとしてガンダムオリンピック(ファイト)を放映して、あまつさえ、それが面白くて、しかもマンダラガンダムがちょっとかっこいい、とか、もうどうすればいいの?
だって、同じようなネタはみんな考えるけど、本当のスタッフとスタジオが本気で面白いものとしてつくってしまったんだよ!オフィシャルが!本気で!
オフィシャルにこのネタをやられちゃあ、おしめえよ!

のちにターンAガンダムがガンダム全肯定するんだけど、その前に面白ガンダムについては、Gガンダムが全肯定した上で全て回収しているんですよね。
そしてそのGガンダムごと、ターンAが全てを回収する。

だから当時は、もちろん楽しんで見てたんだけど、ある意味絶望してた。
当時はなぜみんながもっとGガンダムに絶望したり、悔しがったりしてないのか分からなかった。少なくとも私はGガンを見て以降、ガンダムで思いつく面白いことの何%かは「あ、これはGガン」と、回収されてしまうことに気づかされてしまう。

そしてせっかく”「あの顔」がついてりゃ全てガンダムだ。”
ということをVガンダムの直後のGガンダムが徹底してやってくれたのに、この後のガンダムがなぜかずっと執拗に「戦争」をえがこうとするのか、私には良く分からない。
ガンダム=戦争だとは全く思わないし、しかもそれはオフィシャルのGガンがすでに証明済みだ。
戦争は、あくまでロボットアニメのための都合のいい舞台装置だと思うし、宇宙世紀の冠をはずして、ここまで自由にやっていいとGガンで線引きをしたのに、なぜあそこまで戦争自体をテーマにしたがるんでしょう。
ロボットアニメのために徹底して利用する「戦争」ならいいけれど、むしろ「戦争」をえがくためにガンダムを使っている印象をどうしても私は受けてしまう。
ガンダム出て楽しけりゃどんなでもいいのに「戦争とは」「平和とは」を語りたがるのは不思議だ。

『新機動戦記ガンダムW』


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富野関係ないけど、Vガンダムが選ばなかった「ガンダム戦隊」を背負った作品として。

これも昔書いたが、「もったいない」という思いは当時も今も変わっていない。
多くの人を幸せにするポテンシャルを持っていた作品なのに誰も幸せにしなかったと考えている。
誰でもいいから多くの人を幸せにしてほしかった。その対象に私が含まれていなくても全く構わない。

もったいないと呼ばれたガンダム、「新機動戦記ガンダムW」

2つ目の衝撃


体験としては、ここで「新世紀エヴァンゲリオン」が入る。
これはやはり大きかった。私の作品や物語の見方を変えたり、自覚を促したという意味では、ファースト(ガンダム)に続く、セカンド(インパクト)と言ってよいと思う。
これで、ガンダムや富野作品の見方も変わった。このブログの記事は、基本的にその通過を経たことによって、書かれたものです。
サードは今のところまだない。

「新世紀エヴァンゲリオン」についてはまた稿を改めて。

白富野三部作


『ブレンパワード』


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リアルタイムでは見ていない。のちにビデオ化されてから、レンタルで見た。かなり後のことだ。
うーん、私はあまりこれを語る資格はないな。体に染みついていない。ただ順番は一応守った(笑)。

『∀ガンダム』


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ターンAの記事は独立しては書いてないけど、個人的にはある程度書いたかなと思うのですが。

当時、本放送を見始めたときに思ったのは、やっぱり「Vガンダムのやり直しと救済」。
これはちゃんと独立したエントリ立てたいけど、要するに、ディアナ・ソレルの中にVガンダムの女王マリアを見たし、キエル・ハイムの中にカテジナ・ルースを見たということ。
多分、私はここに至るまでずっとVガンダムが、カテジナ・ルースが、心に引っ掛かっていたんでしょう。だが、ここで解放された。

『キングゲイナー』


WOWOWでの放送だったので見れないはずだったが、ちょうどWOWOWがサッカーのチャンピオンズリーグの放送権を持っていたので、サッカーと富野観戦(観戦?いや観戦でいいな)という二大趣味が揃うということで加入し、リアルタイムで見ました。
放送中は幸せでした。終わってしまうと、連続TVシリーズでも一個の作品として評価されてしまうから、全体の評価としては色々難しいところもあるけれど、毎週毎週リアルタイムで見ている身としては、週刊少年マンガのように次回を常に楽しんでたよ。

Vガンダムの後の作品については、
「リハビリのブレンパワード」「ガンダム卒業のターンA」「新たな世界へエクソダスのキングゲイナー」
という印象が私にはありまして、富野由悠季は今後、ガンダムを卒業して、ちょっと違う方向へ行くのかな、行って欲しいな、と思っていたので、

ゲイン「エクソダス……するかい?」

「する!する!」と、そのときは二つ返事でついていきました。

その後と現在


『Z劇場版』は一作目のみ劇場で。『リーンの翼』はまだ見ていないので、出来る限りリアルタイムで順番に、というのはもう果たされていない。
そんなのでは富野ファンとは呼べないな、と言われるなら、そうかも知れない。
でも、もう大人になったので、作品のリリースタイミングとは別に、自分が作品を必要としたときに見ることにしたい。その日は必ず来るはず。

子供のころ、父が以前買った本があるのに、また多くの本を買ってくるのを見ていて、
「なんで、読んでないのに次々に本を買うの?」と聞くと、
「本を買いたいときと、読みたいときは別だから」と答えられた。
子供のときは、今あるものを今体験したいと思っていたのだけど、年齢が上がれば体験できる作品の範囲が大きくなるのもありますが、自分が必要とするタイミングで作品に接する方が自然じゃないかと思う。
まあ、まだ見ていない作品についての言い訳ですね。これは。

さて、長々と自分語りをしてきたわけですが、富野アニメやガンダム体験の一つのサンプルと思っていただければ幸いです。私はこんな感じですが、皆さんはどんな富野作品体験を持っていらっしゃるでしょうか。良ろしければお聞かせください。ララァも喜ぶ。
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前回記事の富野全滅戦争回避ゲームは、割と面白がってもらえたようで、うれしく思っています。みんな元気に病んどるね!

前回はゲームを通じて富野作品を考えてみたわけですが、今回もちょっと趣向を変えたアプローチ。
富野アニメ作品自体ではなく、いかに自分が富野作品を体験していったか、その歴史を思い出しつつ書いてみたいと思います。
結局のところ、それは自分語りになるわけですが、富野作品、またはガンダムシリーズは数も多く、「どう富野体験をしてきたのか」で、同じ作品を語っても、思い入れやスタンスもさまざまに変わります。
このブログでは、富野作品についての言及が多いので、一度そのバックグラウンドを示しておくのも悪くないですし、たいしたことも書けない私にとっては、体験こそが自分が持つ唯一のオリジナリティと言えます。結局、私自身の体験を語るぐらいしか「私にしかできないこと」は無いんですよね。

ちなみに私は、富野アニメで産湯をつかう、と何度か書いているように、子供の頃から基本的には、順番どおり、リアルタイムで富野アニメを見てきました。
だから、「子供から大人になるまでの間に、順番どおりに富野アニメを見た」というのが私の武器であり、同時に限界です。
例えば「大人になってからファーストを見た」とか、「SEEDを見てから、ファーストを見た」という感想は、どうあがいても書けません。
だから、自分と違うルートや年齢で富野作品に関わった方の意見というのは、とても興味深いといつも思っています。

皆さんも自分とは違う富野体験プロフィールの例として、この記事をご覧いただき、そしてもし可能ならば、皆さん自身のプロフィールを書いていただければ、こんなにうれしいことはありません。私だけでは単なる自分語りですが、サンプルが色々あると比較もできて面白くなるはずです。「数だよ、アニキ!」と肩がトゲトゲの人も言ってました。

では、私の富野作品体験を<「私の履歴書」富野アニメのプロフィール>と題してお送りします。残念ながら日経新聞には掲載されませんので読めるのはここだけ。
やはりファーストガンダムの存在が大きいですが、あえて、ファーストを見る前の時代、つまり「ファースト前夜」からスタートさせましょう。



ファースト前夜


幼少のころは、完全に「仮面ライダー」と「ウルトラマン」大好きっ子でした。
アルバムを見れば一目瞭然。
いついかなる時でも、ライダーの変身ポーズか、ウルトラマンの光線ポーズで写真にうつっている。
あまりに全ての写真がそれなので、見てるとだんだん面白くなってくる。七五三だろうが正月だろうが関係なし。カメラを向けられれば、条件反射的にポーズをとっていた。
とはいえ、ポーズの種類はなかなか多彩だ。リアルタイムでは到底見ていないライダーやウルトラマンのポーズも色々やっている。
ビデオも無かったのに、こんな幼児がなぜ?

それは、変身ベルトや人形などのおもちゃではなく、ケイブンシャ大百科など本ばかりを好んで買っていたから。
母には「字もまだ読めないのに、ライダー大百科をねだり、買ってやるとそれで字を覚えた」と、のちに聞かされた。
つまり大百科の変身ポーズの図解などを見ながら、見たことないものも覚えたと思われる。
変身ベルトのおもちゃはいらない。ベルトの図解資料があればいいのだ。大百科があれば他に何にもいらなかった………(泣きながら)ご、ごめん。ぼく、うそついた。本当はおもちゃ欲しかった。でも、うち貧乏で、おもちゃ買ってもらえへんかった。でも本は安いしわりと買ってもらえたから。
わかった。もういい。君の気持ちは分かった。つらかったな。

前振りが長くなったが、この時期の富野アニメ体験。

『無敵超人ザンボット3』、『無敵鋼人ダイターン3』


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「ザンボット3」「ダイターン3」は、多少は見ていたんじゃないか。
でも当然、富野作品と認識もしていなかったし、そもそも、全話どころか30分きっちり見るような年齢でもなかった。つまり年齢的にも完全に富野体験前夜で、はじまりはやはりファーストになる。

はじめのファースト初体験


『機動戦士ガンダム』


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ファーストガンダムは、世代的に再放送で見たはずだ。
本放送も見れたはずだが「ザンボット」「ダイターン」のように部分的に見た程度のはず。

ファーストガンダムを見て、幼い私の世界は変わった。完全に変わった。
しかし、変わったことを記憶として、はっきり覚えているわけではない。
でも変化は一目瞭然。
なぜか?
なぜなら、ある時期を境にして、アルバムの写真から、ライダー変身ポーズと、ウルトラマンの光線ポーズが一切なくなったから。

多分、「ガンダムを知った今、ライダーポーズなんてしてらんねーよ。幼稚なポーズとはオサラバだ」と生意気に思ったんだろう。
これはもう面白いほど劇的に無くなっている。手の平を返したように。ああ、私はここでガンダムを見たんだな、とはっきり分かる。我ながら面白い。
ちなみに、変身ポーズ等は確かに無くなったけど、その代わりに、木の棒を構えて勇ましくうつっている写真が登場してくるんですけどね。
この子、完全にビームサーベルかまえてはるわあ。分かりやすい子供やわあ。
(変化してるだけで、全然、卒業してない)

私がガンダムのチャンバラにどれだけ夢中になったのかは、この記事にまとめてあります。
「ロボットチャンバラ」としてのガンダム<ビームサーベル戦闘論>

とにかく、ここが完全にターニングポイントになった。
こういう証拠もあって、恥ずかしいほどにそれは明らかだ。

ファースト以後


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リアルタイムでは見てない。見たい見たくない以前に、うちでは放送が入らなかったと思う。
「イデオン」を見るのは、TVで、映画『The IDEON (伝説巨神イデオン)接触篇/発動篇』を放送したときなので、何年かあとだ。それでも小学生だった。
「発動篇」には強烈な衝撃を受けた。「デビルマン」(漫画版)と並んで、幼少期の二大トラウマ作品だと記憶している。
ちなみに「デビルマン」は、なぜか歯医者の待合室に置いてあるものを読んだ。テレビアニメのデビルマンはすでに知ってたはずなので、そのイメージで何も知らずに読んでしまった。
例のあたり(首祭り)を読むときには、なぜか待合室に私1人しかおらず、あまりに怖くなりすぎて、「ひ、人がいる所にいかねば!」と、まだ名前も呼ばれてないのに、診察室に入っていった。歯医者が大嫌いだった私がすすんで診察室に入ったことは、後にも先にもこの時だけ。

『戦闘メカ ザブングル』


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この頃から、多分、富野監督と認識して、自ら好んで見ていたはず。
よく遊んでくれた親戚のお兄ちゃんが、ガンダムとか好きで、アニメ雑誌も買っていた。それで「ザブングル」なども「ガンダム」を作った人の作品だという情報を仕入れたはず。

ちなみにこのお兄ちゃんはプラモもたくさん買っており、遊ぶ際にはこのプラモを使って、よく2人でプラモ狂四郎(プラモシミュレーション)ごっこをした。
兄ちゃんは、こんなだから当然、コミックボンボン派で、多分その影響から私もコミックボンボンを購読していた。当時は、コロコロコミックの方が人気があり主流派だった。だが、せっかくだから俺はこのボンボンを選ぶぜ。
もちろん、ガンダムがあるというだけが理由だ。それだけで十分な理由だった。

ちなみに「ザブングル」についても記事書いてますので、良かったらどうぞ。
惑星ゾラで生きるための、たったひとつのルール。<"異世界もの"としての戦闘メカ ザブングル>

『聖戦士ダンバイン』


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「ダンバイン」については、このブログではいろいろ書いたので、あまり書くことがない。全滅初体験作品。そのあたりについては以下の記事で。
なぜショウ・ザマはバイストン・ウェルで眠ってしまったのか <『聖戦士ダンバイン』に見る物語の始め方>

あ!そういえば、ザブンブルとダンバインは本編が始まる前にもアイキャッチが入るのですが、あれは誰のアイデアなんでしょう?数秒のアイキャッチで一気に作品世界へ連れて行ってくれる良い趣向で、すごく好きでした。のちの富野作品はもちろん、他のアニメもなぜあれをやらないのかなと思っていたのですが。結果的には、この二作品が例外でしたね。

『重戦機エルガイム』


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ガウ・ハ・レッシィが好きだった。多分、二次元に対する初恋はレッシィじゃないかな。
ただねえ、同じぐらいバスターランチャーが好きだった。どっちが好き?と聞かれたら、気分次第で「ばすたーらんちゃー!」と答えるほどに、女の子と武器が等価だった。
でっかい棒状のものは全てバスターランチャーとして、ごっこ遊びに使った。問題は、私の体にランチャーのコードを刺すプラグが無かったことぐらいだ。

はじめての、ぼくらの「ガンダム」


『機動戦士Ζガンダム』


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Zガンダムがはじまる、というのを知ったときの衝撃と喜びは未だに覚えている。
新作のニュースにあれほどこころ踊ったのは、Z以外には、のちの「エヴァンゲリオン」があるだけ。自分にとってはそれほどのビッグニュースだった。

「Zガンダム」がはじまることが、なぜそんなにうれしかったのか?
それは、はじめての、ぼくらの「ガンダム」だったからだ。

「ファーストガンダム」は(再放送ではあるが)ほぼリアルタイムの「ガンダム」ブームで見たとはいえ、あれはやっぱり自分よりひとつ上の世代のものだった。
「トライダーG7」や「ダイオージャ」は、ぼくらのものかも知れないが、「ガンダム」はぼくらのものじゃない。その違いは幼くても感じていた。
だが「Zガンダム」はちがう。ぼくが、はじめて自覚的に、リアルタイムで追っていく「ガンダム」だ。
ガトーは3年程度待ったかも知れないが、私は6年ほど待ったのだ。そして、ついに自分たちのものといえる「ガンダム」がやってきた!

そしてはじまったZガンダム第一話「黒いガンダム」を見た時のうれしさと驚き。
ファーストガンダムと全く同じシチュエーションで全てがその逆だ!視点はシャア側だし、ガンダムは黒いし、ガンダムに乗り込んだ少年はコロニーに潜入した敵を倒すどころか、ついていってしまうし。(アムロがザクを倒さずに、そのままガンダムを手土産にシャアのムサイの所に行ってしまったようなもの)
第一話は、ファースト第一話が体に染みついていた子供の私には強烈に面白かった。
逆パターンということは、このままシャアが腐りきった連邦をぶっつぶして、宇宙世紀をガラッと変えてくれる。そんな「シャアの逆襲」話になるかも?と思っていた。

その後はまあ、ご存じの展開で、自分たちのガンダムになると意気込んでいた私にとっては、肩透かしをくらったような形だった。
なんだかんだいって最後まで見たけれど、ぼくらの「ガンダム」という感じにはどうしてもならなかった。

ベースになる目線がおっさん寄りというか、ファーストより上になっていて、それも私のような子供を困惑させた。
だって、みんなにうざがられているカツよりも、見ている私はさらに年下だったもの。
カツは確かに青臭いのだが、カツが批判する大人たちやアムロやクワトロが煮え切らないのは確か。
でも子供は子供だって言われるし、かといって大人達もぐだぐだしていた。あれ?シャアの逆襲は?大人になったカッコいいアムロは?彼らにあこがれた子供たち(カツや私)は?
つまりは「そんなもんだろう(シャ乱Q)」ということを見せられたわけだけど、それを「まあ、そうだよね」と、相槌うつには私は子供すぎた。
だから結局、「Zガンダム」は残念ながら、ぼくらの「ガンダム」にはならなかった。

多分、この辺りは「大人になってからZを見た」とか「カツの年齢を越えてからZを見た」などで変わってくるんじゃないかな。
正直、私にはカツを「うざい」「子供のくせに」「何にも分かってない」「才能ないのに余計なことするな」みたいに、単純にバカにしては見れない。
だって、私はガンダム見て、アムロにあこがれて、木の棒をビームサーベルに見立てて写真に写ってた子供だよ?
連邦は腐りきってるからつぶすべき。シャアがそれをやってくれるからついていこう、と喜んでた子供だよ?
カツと何が違うの?



ダメだ。この調子で書いてたら、長くなりすぎて、全作品を記事一つにまとめるのはとても不可能だ。
(というか、今読み返してみたら、富野作品と直接関係ない話ばっかりだ)
不本意ながら、記事を前後篇に分けさせていただこう。前編は「Zガンダム」まで……いや、もう一つやってしまおう。

『機動戦士ガンダムΖΖ』


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シリーズ後半から、習い事に通いだし、見なく(見れなく)なりました。
ガンダムが見れなくなるような習い事に行く、というただ1点でZZとの関わり方が分かるというものです。今までだったら絶対にそんなことはしなかった。
ZZは打って変わって、子供達が好き放題して、大人たちをギャフンと言わすのですが、Zガンダムを見てきた私にはその露骨な路線変更が、子供(自分)に媚を売られているようで、イヤだった。
要するに、ZもZZもどっちも極端だったのだ。子供の私には。
結局、ZZの後半を見るのは、後年、再放送でということになる。

ということで、今回はここまで。
次回は【後篇】として、「逆襲のシャア」とそれ以降をお送りする予定です。

【発動編】できました!
アムロとシャアの子供たち。<「私の履歴書」富野アニメ体験プロフィール【後編】>

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