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シリーズでお送りする「もったいない作品」第2弾。
図書館戦争という小説を原作にしたアニメがやってたのでこないだ見ました。小説の方は未読です。
メディア良化法の名の下に国家権力の検閲によって禁止図書の取締がある架空の日本で、書物を守る図書館側と取り締まる政府側?とで戦争する話です。

■図書館戦争の面白さともったいなさ

これ、設定だけ聞くと面白そうなんですよ。「本のために銃撃ち合って殺し合う」という設定がもう出オチというか、これこそ「世にも奇妙な物語」の一遍にちょうどいい話の気がします。
ちなみに「ハチクロ」「のだめ」枠(ノイタミナ枠)でやるほど、原作からしてラブコメ成分が高いそうです。白泉社でマンガ化するほどに。
その部分はいいのですが、肝心の図書館戦争部分が全然よく分からない。アニメ化でごっそり説明を省いたりもしてるんでしょうけども。
結局「もしも」ファンタジーだと思うのですが、大ウソの部分とリアリティの部分がうまく融合してないように私には感じてとても違和感があります。
「世にも奇妙な物語」の1エピソードなら短編なので、全然気にならないと思うのですが。アニメ版は、プロダクションI.Gが真面目に戦争シーンとか作ってるのが余計に気になる。
原作既読者的にはどうなんでしょうね。というか本以外の表現メディアはどうなってるの?いや、多分そういうことはあんまり突っ込むん話じゃない気もする。
こういう舞台装置での愛と友情を楽しめばいいんだと思うんですけど、でも普通に武力衝突があって人が死ぬんですよね?

原作は面白いそうなので、アニメ化の際の料理法の問題という気もする。
I.Gが作ってるなら、全ての図書をデータ化して電脳の海に潜るのもいいのですが(で、9課に追われる)、これはやっぱり押井守がやればいいんですよね。
押井守といっても「ケルベロス」や「人狼」みたいなうっとうしいのでなく「うる星やつら」の買い食いウォーズとか「パトレイバー」の炎の7日間みたいな感じで悪ノリ全開のやつ。
千葉繁が何で本(8割方エロ本)に命をかけるのか、長ゼリフでまくしたてまくって、図書館に篭城したらいいんですよ。
で、神谷明が面堂家私設軍隊を率いてそれを武力鎮圧したらいいんですよ。
原作むちゃくちゃになりますけど、絶対面白いですよ。本当にもったいないなあ。
まあ押井守にラブコメはできないので、本編ではなく第0話として図書館隊の戦いの歴史を前史として作ってもらったらいいんじゃないでしょうか。
主人公が講義で習うテキストとか教材ビデオの設定で、DVDのおまけにつけましょう。

で、ここから意図的に脱線します。



■ちびくろさんぼは黒人差別か

出版に対する言論弾圧というと絵本「ちびくろさんぼ」を思い出します。
「ちびくろさんぼ」は一時期、黒人差別との抗議で絶版になってましたね。
私は「ちびくろさんぼ」は真っ赤な装丁の絵本を持っていて、小さい頃から何度も読んでいた大好きな絵本です。
挿絵がとても魅力的で、これを見て「ホットケーキ食べたい」と母にねだったことを覚えています。
そんな私は「ちびくろさんぼ」が黒人差別が理由で絶版になった理由が理解できませんでした。
なぜならば。

「さんぼ」に虎が出てくることからも分かる通り、元々はインドを舞台にしたお話です。それが海賊版を含めてさまざまなバリエーションが出るうちにアフリカを舞台にして、さんぼを黒人にしたものも出てきたそうです。
元はインドの話なんだから、黒人差別というのは的外れだ。という問題でもなく、舞台がインドでもアフリカでも通じる、差別とはむしろ逆のメッセージが物語に含まれていると思うんですよね。

「ちびくろさんぼ」では、さんぼがカサやレインコートやブーツなどフル装備していると、虎が次々にやってきて、それを奪っていきます。
これはインドやアフリカが西欧の国々に植民地にされたり、搾取されたり、国境を引かれたりしたことをイメージさせます。インドもアフリカも西欧にさまざまなものを奪われ、苦しめられましたから。
つまり、全てを奪われたさんぼはインドやアフリカの象徴。全てを奪った虎は西欧植民地主義の象徴というわけです。
ここまでだけ見ると、いじめられてかわいそうなさんぼだけど、皆さん知っての通り絵本の中では、さんぼの機転によって、虎達はお互い争ったあげく全員バターになってしまい共倒れしてしまいます。残ったさんぼはそのバターをホットケーキとして食べてしまう。
おしまいまで読むと、さんぼ(=植民地)のかしこさや、虎のバターも体内に飲み込んでしまうたくましさやしたたかさ、おおらかさが感じられませんか?
話の内容については差別的な要素どころか、深読みすれば西欧植民地主義に対する批判とも考えられて、むしろ欧米でもっと読ませるべき話じゃないかとすら思います。
いや、そんないやらしい政治的な深読みしなくても純粋に、差別表現は感じられないおもしろ絵本だと思います。つまり世界に通じるオモロー!絵本です。ホットケーキの枚数が3の倍数の時にバターになるほどに。
もちろんタイトルの「ちびくろさんぼ」という表現や、挿絵の黒人表現については配慮は必要だと思います。
今、復刊されている「ちびくろさんぼ」はそこのところを検討や修正をしたりしたものなんでしょうね。

だから子供たちは思いきり「ちびくろさんぼ」を読んで、ホットケーキによだれをたらしなさい。
お父さん、お母さんは子供たちのために何百枚でもホットケーキを焼きなさい。
そして親子で、さんぼの話をしながらホットケーキを食べなさい。もちろんバターをたっぷり塗って。
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