上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
妻「ねえ、あなた……(熱い視線を送りつつ、ペルソナ4を見せる)」
夫「うーん、疲れてるんだ。また今度にしてくれよ……(寝返りをうち背を向ける)」

アトラスの人気RPGシリーズ『ペルソナ4』 (PERSONA4) をクリアーしました。すばらしいゲームでした。

実は私が据え置きゲーム機でRPGをクリアーしたのは、PS1「ファイナルファンタジー9(2000年)」以来。PS2でRPGをプレイしたのはこれが初めて。2009年にして初めて。
「女神転生」シリーズはわりと好きだけど、最後にクリアーしたのはセガサターン版「デビルサマナー」。ペルソナシリーズは全くの初めてでした。

良いゲームだったので、親しい友人に貸すからぜひプレイを、とすすめたところ、冒頭のような状況になったというわけ。
友人にはぜひペルソナ4を体験して欲しいが、彼の気持ちもよく分かる。

私も彼もファミコン世代だから、子供の頃から一通りゲームをやってきたのだけれど、今ではめっきりゲームに振り分ける時間が少なくなった。2人ともPS2はあるが、ウイニングイレブンのディスクケースであり、他のゲーム、特にRPGは全くプレイしない。

しかしペルソナ4は、そんな「RPGレス」の人にもプレイしやすくつくられたゲームです。それがプレイしてよくわかったので、「RPGレスのためのペルソナ4ガイド」として、このゲームの良いところをご紹介します。

見てのとおり、最近の日本製RPGのスタンダードは分かりません(海外も含めたRPGの全体の流れはもっと分からない)。
他のRPGとの比較もできないので「ペルソナ4すごい」というポイントが、最近のRPGなら当たり前というものもあるかも知れないですが、ご容赦いただきたい。おすすめしたいのは「最近のRPG」ではなく、あくまで「ペルソナ4」ですので、その視点でお話します。

基本的には友人のために書きますが、「最近どころか何年もRPGなんて全然プレイしていない」という人は結構多いと思うので、そういった方へも捧げます。

まずは、ペルソナ4の基本情報のご紹介から。

ペルソナ4とは


『ペルソナ4』 (PERSONA4) は、2008年7月10日にアトラスより発売されたプレイステーション2ソフト。同社の『ペルソナシリーズ』の4作目。(wikipediaより)

ペルソナ4ペルソナ4
(2008/07/10)
PlayStation2

商品詳細を見る

公式サイト
http://p4.atlusnet.jp/

あらすじ
主人公は高校生。1年間の期間限定で地方都市にある叔父の家に居候することになった。
その町で発生する連続殺人事件。主人公達は、異空間を探る中で「シャドウ」と呼ばれる化け物に襲われ、日常の裏にある世界の闇を垣間見る事になる。そしてペルソナ能力を発現させた彼らは、事件解決と、今始まりつつあることの真実を求め奔走する。


現代を舞台にした、学園伝奇異能力RPGとでもいえばいいでしょうか。そんなゲームです。

ペルソナ4ガイドの前に


RPGというと、世界観とキャラクターとシナリオが重要視されることも多いと思います。
恐らくペルソナ4でも、魅力として語られることが最も多いのは、愛すべきキャラクター達と、青春いっぱいの楽しいジュブナイルストーリーだと思われます。

しかし、ここでは、その「最大の魅力」については何も言うつもりはありません。
ペルソナ4の世界観とキャラクターが魅力的なのは、公式サイトなどを見てもらっても分かるでしょうし、そういう視点ですでに記事を書いていらっしゃる方も多いので、それで好感をもってくれれば、ありがたいという感じ。

私は、ゲームシステムに対してお金を払うという意識が強い人間なので、『ペルソナ4は、RPGから足を洗ったような人間でも快適にプレイできるようつくられたゲームである』ということのみに絞って書きたいと思います。



【1時間目】 ゲームの基本構造


ゲームは、日常(学校)パートと、非日常(ダンジョン探検)パートに分かれます
日常パートは、キャラクターとシナリオを楽しむパート、
非日常パートは、RPG的な冒険を楽しむパートと思えばいいでしょう。

ゲームはカレンダーどおりに1日単位ですすめます。基本的な1日はこんな感じ。

午前→午後
高校生なので、学校へ行って授業を受けます。
ゲーム的には特に何もすることがありませんので、あっという間に終わります。

放課後
1日の授業が終わった後、胸騒ぎのアフタースクールが自由時間になります。
この時間を、日常や冒険に使います。
どう使うかはプレイヤーのお好みで。キャラとシナリオを楽しんでもいいし、バリバリにRPGをやってもいい。



【2時間目】 日常パート(コミュ)


放課後に日常を選んだ場合はこちら。
舞台となる地方都市でのヤングライフをたのしみましょう。

■街1個のスモールサイズRPG
ちなみに街の中での移動は3Dフィールドを動き回るタイプですが、いつでも□ボタン1つで移動先を選べます。
例えば学校から出るときに、校門まで歩いていく必要はありません。□ボタンを押して「街へ出る」を選べばOK。校内での移動も「屋上」「2階廊下」「1階廊下」など選択できるので、歩くのは本当に最小限で済みます。

そもそも地方都市を舞台としているので、移動できるスポット数自体が少ないし、スポット内での移動範囲も狭い。武器屋もアイテムショップも最後まで1つ。世界1周旅行するRPGと違って、世界をくまなく回る必要は全くありません。
これだけでも、RPGレスのめんどくさがり屋にすすめてもいい点の1つだと思います。

■楽しいコミュ活動(キャラクターショートストーリー)
さて街や学校では、アルバイトや勉強なども出来ますが、何と言ってもメインは「コミュ」活動。
これはキャラクターにスポットを当てたショートストーリーと思ってください。
「各パーティメンバー」「部活の友達」「居候先の家族」「バイト先の知り合い」など、町で出会ったさまざまなキャラクターと、きずなを結んでいくことになります。
コミュは全部で20。メインストーリーとは別に、20のショートストーリーがあるのが、ペルソナ4のシナリオです。
メインストーリーはゲーム全体の進行によるものですが、ショートストーリー(コミュ)は、何をどう進めようとプレイヤーの自由になっていることがポイントです。

ショートストーリーは、キャラクターにヒモづいている以上、そのキャラクターの掘り下げストーリーになります。(連続ドラマやアニメでの「サブキャラクターの主役回」と思ってもらうと、分かりやすいかも知れません)
仲良くなりたい=キャラクターの掘り下げストーリーを見たい、ということになります。
コミュレベルは最高で10まであり、各ショートストーリーは全10回に分割されています。そのキャラの全てのお話が見たいのであれば、仲良くなって段階的にコミュレベルをすすめる必要があります。

興味をひかれないキャラのコミュはすすめなくても問題はありません。なぜならゲームのクリアとコミュは無関係だからです。好みのキャラを選んで仲良くする=ショートストーリーを見る、という展開ですので、思う存分、好みですすめてください。

大作RPGにありがちですが、全てのキャラクターをメインシナリオ内でいじっていくから、どうしても興味ないところは興味ないですし、面白くないところは面白くない。メインシナリオの量も長大になるが、ゲームクリアと直接つながっている以上、全てを体験しないわけにはいかない。

ペルソナ4では個々のキャラクターの物語を「コミュ」として、メインシナリオから分けた事で、こうした悩みからは解放されています。メインシナリオもおかげで大変すっきりコンパクト。

■コミュ活動のメリット
ゲームルール的には、コミュレベルによって、ペルソナ合体(悪魔合体)時の経験値ボーナスがもらえるようになります。
合体しただけなのに、仲魔のレベルが5レベル上がってしまったりするわけです。1回も戦っていないのに。コミュ活動(キャラとシナリオを楽しむ)をしていれば、その分、ペルソナのレベル上げなどをしなくて済むというわけ。
ですからコミュ活動は、RPG的に損をしているどころか、強化活動の一環といえます。



【3時間目】 テレビの中で、ダンジョン探検


放課後に非日常を選んだ場合はこちら。
テレビの中にある異世界でのヤングライフをたのしみましょう。
RPGパートであるダンジョン探検です。

「メガテンといえば、3D(一人称)視点ダンジョン?あれはムリ。迷う」

ペルソナ4のダンジョンは、画面内の主人公をそのまま動かして操作するタイプ(ようするに街と一緒)。マップも常に画面に表示されているから、迷うようなことは一切ありません。

しかも敵の姿も同じように見えていて、接触しない限り、戦闘にはなりません。
敵はこちらを見つけると追いかけてきますが、十分に走って逃げ切ることができますので、ランダムに戦闘に入ってイライラするようなことも起こりません。基本的には、こちらが戦いたいと思うタイミングで戦うことができます。

でもきっと喜んで敵と接触することになるはずです。
なぜなら、ペルソナ4の戦闘はとっても楽しいから!



【4時間目】 駆け引きが楽しい戦闘システム


戦闘は、名作の誉れ高い「真女神転生3」のプレスターンバトルを、分かりやすく改良したもの。
作業になりがちなRPGの戦闘を楽しいものにしてくれているので、ぜひ体験してほしい。
個人的には、ペルソナ4の戦闘は、格闘ゲームのようなものと考えると分かりやすいんじゃないかな、と考えています。

■いちばん大事なのは「ダウン」をとること
ペルソナ4では「ダウン」を取ることが、最重要とされます。
「ダウン」をとったキャラクターは、「1more」といって、もう1度ボーナス行動ができるためだ。
さらに、敵全体からダウンを取れば「総攻撃」といって、パーティ全員で敵をタコ殴りにできる。

ではその「ダウン」はどうやってとるか。

ダウンの取り方
・敵の弱点を突く攻撃をする
・クリティカルヒットを出す
・敵の攻撃を華麗に回避して転ばす


クリティカルや回避は運だのみだけど、弱点を突くのは狙っていける。
火に弱い敵には、火の攻撃を。雷に弱い敵には、雷の攻撃を。
しかし、もちろんのこと敵もこちらの弱点を突いてきます。敵にも「1more」が発生するので、追加攻撃を受けてしまう。
つまり重要なのは、いかに敵から「ダウン」を取り、敵には「ダウン」をとらせないか。これがペルソナ4の戦闘の基本になる。
いかがです?何か格闘ゲームみたいな駆け引きみたいじゃありませんこと?

■ダウン後の攻防
「ダウン」をとってからの選択は、さらに格闘ゲームを連想すると分かりやすい。
格闘ゲームで「ダウン」をとったとき、攻撃側が有利になるのだけど、そこからさらに空中コンボやダウン攻撃で、ダメージ量を増やすか、間合いをとったり、ガードして仕切りなおすか、などを状況によって選ぶ。ペルソナも似たようなものと思えばいい。

「1more」(ボーナス行動)の主な使い方
(A)別の敵の弱点を突いて、さらなる「ダウン」を取りにいく
(B)敵全員がダウンであれば、総攻撃をかけて、大ダメージを与える
(C)敵がダウンしている隙に、体力を回復させる
(D)防御を選んで、自分の弱点属性を消し、敵のダウン攻撃に備える


(A)、(B)は、全員ダウン→総攻撃を狙って、ダメージ量を増加する選択。
たとえば序盤にありがちなシチュエーション。敵が2体。こちらは敵の弱点をつけるけど、単体攻撃しかできない。こんなときにどうするか。
まず弱点攻撃で1体のダウンを取る。RPGでの戦闘は敵の頭数(=攻撃回数)を減らすことが大事だから、「1more」を使って、ダウン取った敵にとどめの攻撃を刺す……必要がペルソナでは無い。ここはもう1体の敵にも弱点攻撃をして敵全員のダウンをとってしまおう。これで総攻撃へなだれこむことができ、1ターンでも敵2体をやっつけることができるだろう。
最初は、ついセオリーどおり頭数を減らそうとしてしまうのだけれど、少し工夫すると、1ターンで全ての敵を倒すことができることに気づくのだ。
しかし、総攻撃後は敵もダウンから回復し、仕切り直しとなるため、とどめをさせなかった場合は敵からの反撃が来る。
敵にとどめを刺せないと分かっている場合(ボス戦など)は、状況に応じて、総攻撃以外も使っていく必要がある。

(C)は特にペルソナの戦闘特性が出ている。例えば、あと一撃のダメージで死んでしまうような瀕死の状態の時、どうするか。
普通のゲームなら、まず体力回復。命の危険がなくなったところで、次のターンに攻撃。が基本になるかな。
でもペルソナ4なら、まず弱点攻撃でダウンをとる→1more発生→ボーナス行動で回復。といった具合に、瀕死でも攻撃をしかけることで逆に有利になることが多いのが面白いところだ。

(D)は、敵に「ダウン」をとらせないための選択だ。
ペルソナ4では、「防御」を選ぶと、弱点攻撃を1度だけ防ぐことができる(ダウンしない)。
ボスに「ダウン」を取られて、さらに追加攻撃を受けるのは致命傷になる場合があるので、「防御」も重要な選択の1つだ。「1more」を使うことで、攻撃をしてからの防御、という行動ができるのもペルソナ4の特徴。

「ダウン」とそれで発生する「1more(ボーナス行動)」の使い方を考えるだけで、通常のRPGとは違ったバトルが体験できることが多少なりとも伝わっただろうか。

大事なのは、敵の弱点を捜して、いろいろな攻撃を試すこと。

山崎まさよしも、こう歌っています。
「いつでも捜しているよ。どっかに敵の弱点。炎属性、氷属性、そんな弱点あるはずもないのに」

つまりペルソナ4において、"One more time"は、"One more chance"だということです。



「戦闘は確かに面白そう。でも、会う敵ごとに的確な弱点攻撃をして…というのが難しいし、めんどくさいなあ」

なるほど。ごもっとも。でもペルソナ4が本当におすすめできるのは、こういう問題がクリアーされてるからなんだよね。

【5時間目】 ナビゲーターが、らくらくサポート


ペルソナ4の冒険の舞台は、テレビの中の異世界。
その不思議な空間では、味方キャラの1人が、主 (プレイヤー) の生活すべてをサポートする、フォーマルな守護者として手助けをしてくれます。
このサポートのおかげで、冒険がらくちんになるし、戦闘の負担も軽減されます。
(昔を知るメガテンユーザーは「デビルアナライズ」の発展系と思ってくれたらいいでしょう)

■ダンジョンサポート
敵の姿や宝箱の位置を、マップ内に表示してくれます。
さらにゲーム後半では、戦闘が終わるごとに、HPやMP(ペルソナではSPといいます)も回復してくれたりします。

■戦闘サポート
例えば、戦闘中にはボタン1つで、かんたんに敵のステータスを見ることができる。
1度弱点が判明した敵なら、弱点属性が記載されているので、確認して、弱点攻撃をすればいい。

このサポート機能はゲーム進行にしたがって、さらに発展し、敵のステータスを見るどころか、敵にカーソルを合わせるだけで有効な攻撃かどうかを判別できるようになる。
攻撃が効かないなら×印が、反射されるなら「リフレクト」と表示される、といった具合だ。
これらのサポートがあることで「この敵は弱点なんだっけなあ?」と悩む必要も、攻略本を常に傍らに置いておく必要もない。

ペルソナ4には、さらに「声」によるサポートもある。この「声」の使い方がすばらしく、感動しました。

■すばらしい「声」でのサポート
ペルソナ4での「声」の使い方は大変すばらしい。
もちろん、イベントシーンで使われるのは今のゲームとしては当然のことだろう。
ペルソナでは、プレイヤーのサポートのためにキャラクターが良くしゃべる。こんな感じ(セリフ自体は適当ですが)。

戦闘開始時
「この敵には、火炎属性が有効だよ!」
と弱点を「声」で教えてくれる。

戦闘中
「○○(キャラクター名)が、毒を受けてるよ!」
「○○(キャラクター名)の、体力が危ないよ!」

など、今、キャラクターが何をされて、どんな状態にあるのかを「声」で教えてくれる。

戦闘後
「○○(キャラクター名)に、回復が必要だよ!」
と、戦闘後に必要な処置について「声」で教えてくれる。

「声」で、というのは重要で、よくゲームを知ってる友人に、後ろからアドバイスをもらってる感覚といえばいいだろうか。
私も戦闘後、瀕死なのを忘れて先へ進もうとして、「声」に気づかされて、あわてて回復させた、ということが何度もあった。
私はわりと声はどうでもいい人間だが、この使い方は大変すばらしい。きちんとゲームに貢献している。



【6時間目】 ペルソナ4おすすめポイントのまとめ


以上でガイドを終わります。

ペルソナシリーズは、女性やライトユーザーのファンも多いと思いますがが、そういった「このゲームを楽しみたい」と言うお客に対してのフォローが細やかで、その期待を全く裏切っていないから、安心してください。
「ゲームは得意じゃないけど、キャラとシナリオを楽しみたい」という人がちゃんとクリアーできるゲームになっていると思いますよ。

最後にポイントをまとめてみましょう。

ペルソナ4おすすめポイント
・魅力的なキャラクターと青春いっぱいのジュブナイルシナリオ
・すばらしい音楽。(通常戦闘が、ボーカル曲だったり)
・インターフェイスをはじめとした全体のデザインセンスの良さ


多分、この辺りがストレートで伝わりやすい、「最大の魅力」ともいえるポイント。

その上で、私が今回まとめたのが、実際にプレイしてみないと分からない長所。
「最大の魅力」をゲームで体験するためのポイント。

「ペルソナ4おすすめポイント」を楽しむためのおすすめポイント
・舞台は街1個のスモールサイズ。さらにボタン1つでらくらく移動。
・シナリオはメインとコミュに分割。サイドストーリーはクリアに関係ないのでお好みでどうぞ。
・ダンジョンは、迷うことなし。敵も見えているから、多い日も安心(敵が)。
・戦闘は、格闘ゲームのように駆け引きあり、緊張感ありでとっても楽しい。
・サポート機能が充実。戦闘もダンジョンも、らくちん。
・「声」のサポートあり。戦闘時や戦闘後のアドバイスで、ゲーム初心者も大事な情報を見落とさない。


ペルソナ4は、RPGレスだった私に見事2周目をプレイさせたゲームです(普通、私はやらない)。
キャラクターやデザイン、世界観、ストーリーを、きちんと満喫させてくれる作品であり、このゲームはそれを気持ちよくサポートするためにつくられています。

もし、あなたが、ペルソナ4のキャラクターやデザイン、世界観に魅かれながらも、「ゲームは苦手だしなあ」「RPGってめんどくさいしなあ」と感じて、プレイを1度あきらめたのであれば、もう1度プレイにチャレンジすることを考えてみてほしい。

その際に、私のガイドがあなたの心のどこかに響いて、
"One more time,One more chance"になればいいのだけれど。

スポンサーサイト
TVアニメ『かんなぎ』を見ています。
原作は読んでないので、見る理由は「監督:山本寛」というだけでした。
山本寛作品では『涼宮ハルヒの憂鬱』も見てましたが、当時は同時に『ZEGAPAIN -ゼーガペイン-』も放送していたため、この時期はSFマインドを満たすことが出来て幸せいっぱい胸いっぱいだったことを覚えています。
ちなみにゼーガペインを見ようと思ったのは「原作:伊東岳彦」の名前だけなので、あそこまで面白くなったのは嬉しい誤算でした。
人は1つの理由だけでどうなるか分からんものを見ることができるものです。

かんなぎ Blu-ray Boxかんなぎ Blu-ray Box
(2012/05/02)
戸松遥、下野紘 他

商品詳細を見る

で、『かんなぎ』。
押しかけ美少女同居ものなんですが、その女の子が神すなわちゴッドだというお話です。
つまり、ゴッドねえちゃんと同居。………ゴッドねえちゃん?

えーと、正しい情報と詳しい情報は、公式サイトとwikipediaのお仕事だと思うので任せた!

TVアニメ『かんなぎ』公式サイト
http://www.nagisama-fc.com/anime/

wikipedia「かんなぎ」
http://ja.wikipedia.org/wiki/かんなぎ_(漫画)

アニメは普通に楽しんでますよ。
マンガをそのままアニメに生かしているなら、原作は、ネームが面白いタイプの作品なんですかね。そんな感じがします。

面白いなあ、と思うのは、オープニングにも現れていますけど、神様をアイドルとして表現しているところです。
ここではその1点だけを話題にしましょう。




カミはアイドル(中山美穂)


ゴッドねえちゃんことナギ様は、神木としてこの土地を守る土地神(産土神)であったが、街の開発?で神木は切られてしまう。
その神木を使って主人公が作った女神像に魂を宿して、再びこの世に姿を現したナギ様だったが、この土地を守るためには神様パワーがあまりに足りない。
それも当然で、神木を切り倒してしまうような時代。誰も土地の神様を信仰していない。
神様パワーを得るには、再び人々の信心を得ることが大事だということで、ナギ様は信者獲得を目指します。
つまりアイドル(偶像)になって、人気者になるのだ。

アイドルとして売り出すために、学校へ行って人気者になったり、公式ファンクラブをつくったりして、信者数を広げる。
信心深い老人達などではなく、高校生など若者の人気を得ようとするのは、もう純粋に女性アイドルの客が若者だから。
また、妹(これも神。ゴッドいもうと)と信者のパイを取り合ったりする。これは同期のライバルアイドルですね。

こうして人々の支持を得ることにより、神様パワーが上がって、色々できるようになるようだ。
アニメでは第3話ぐらいしか、その仕組みが使われていないので良く分からないが、基本のメカニズムはこうであるらしい。

人々が信じて、愛することで神様(アイドル)は力を得る、というこの仕組みは、単なるおふざけのマンガ設定ではなく、神様という存在にとても忠実ですね。

偶像(アイドル)崇拝とは良くいったもので、神様とアイドルはとても良く似た存在だからです。

人々の信仰を糧にする偶像(アイドル)


多くの人間が支持することで力をもつという例は実際の神様に見ることができます。
例えば、三国志のおヒゲのレッドドールこと関羽。
三国志の最終的な勝利者が誰か、というのはたまに話題になります。どう定義するかによりますが現代の我々から見れば、おそらく関羽になるでしょう。
何せ単なる一武将が、世界中の中華街にある関帝廟で愛される関聖帝君(かんせいていくん)という神様になったんですから。劉備や曹操もびっくりです。

明の万暦42年(1614年)万暦帝から「三界伏魔大帝神威遠鎮天尊関聖帝君」、天啓年間に天啓帝による「三界伏魔大帝神威遠震天尊関聖帝君」という神号を追贈され、清では北京地安門(北門)外に廟を作り、順治9年(1652年)に順治帝から「忠義神武関聖大帝」、乾隆年間に乾隆帝から「忠義神武霊佑関聖大帝」、嘉慶 (清)年間に嘉慶帝から「忠義神武霊佑仁勇関聖大帝」、道光年間に道光帝から「忠義神武霊佑仁勇威顕関聖大帝」という神号が贈られた
wikipedia「関帝」


どう偉いのかすらもう分かりませんが、どんどんすごい称号が上乗せされてゆきます。褒めるための漢字を全て付けた感じ。言葉の意味はよく分からんがとにかくすごい名前だ。

単なる人間、1本の木でも、人々に愛され、畏れられ、信心を得れば神になることができるし、さらに信仰を集めれば神格が上がり、神様としてもどんどん出世できるのです。

これはアイドルと同じ。すなわち、単なる歌好きの田舎の女の子でも、人々に愛され、尊敬され、信心を得れば、超時空シンデレラとして、歌姫として、女王として、銀河の妖精として、どんどん出世できるのです(ネットの世界ではそれこそ「神」になれるでしょう)。

もちろん、その逆もあります。

信心を失い、人々に忘れられた神様がどうなるのか。
『かんなぎ』劇中でも、このまま神として忘れられたら、力を失い、最後は消えていく運命だと、語られました。
これも実際に神様の世界であることで、私が最初に思い出したのはアイルランドの妖精達。

フェアリーの起源にはさまざまなものが考えられ、被征服民族の民族的記憶、異教の神や土着の神が神格を剥奪されたもの、社会的に差別・追放された人々を説明するための表現、しつけのための脅しや芸術作品の中の創作、などが挙げられる。小さい姿に描かれたり、遠い場所に行ってしまうといった話は、意識の中で小さくなってしまった存在であるということを表している。
wikipedia「フェアリー」


昔、ケルトにはまった時に、そのきっかけとなった井村君江さんの著作を色々読んでいた時期があったのですが、妖精は昔、その土地で信仰されていた神だったが、キリスト教が入っていくにつれて、神格を失い、人々の記憶の中で大きさも力も小さくなり、あの姿になった、とのことでした。
それでもアイルランドに妖精が多く存在するのは、アイルランドにキリスト教を広めた聖パトリックが、土着信仰を否定せず、キリスト教との融和をするように努めたからと言われています(聖パトリックえらい)。
逆にいえば、キリスト教に限らず宗教の伝播、軍事的征服や、民族の融合、移動など様々な理由で土着の神様達は、信仰を失い消えていったり、力を失い小さくなったり、悪魔にされてしまったり、他の神と融合(女神転生)したりしてきたわけですね。

さて、では同じようなことがアイドルでも言えるのでしょうか。

人気を失い、ファンを失ったアイドルは、人々の中で忘れられ、(芸能界での)力を失い、そしてブラウン管やCDショップから消えていくことで、そこにいるのだけれど通常の人には「見えない」存在となってしまう。妖精と同じく、信じる人にしか「見えない」存在になってしまうわけです。
また消えていく過程で、手のひらを返すように悪者やビッチ扱いをされたり、ソロではなく何人かのグループの1人とされてしまったり、するかもしれません。
この辺りは、四天王だの八部衆だの十二神将だの七福神だのといった神様のグループ化と対比させると面白いでしょう(必ずしも神格の弱体化と直結してるわけではないが)。

その昔は、国中の人々が信じて愛する妖精(アイドル)がいた。
しかし、あらゆる層から認められる国民的歌手、国民的アイドルという存在が成立するのはもう今の時代むずかしい。多様化が進みすぎ、ネットを見ても分かるとおり神はいたる所にいらっしゃいますが、それを全ての人で共有することは残念ながらできません。
『かんなぎ』でのアイドル像がどうしても、いわゆるひと昔前のアイドルになってしまうのはやむを得ないし、山本寛監督など制作側の世代を考えても仕方ないような気がしますね。
この頃はまだギリギリ、みんなが同じ妖精を「見る」ことができたんです。
とはいえ、私はアイドルを語るほど、アイドルを知らない(テレビを通して普通に消費してきたが、特に誰にもはまってない)ので、あまり何とも言えませんが。
この辺りはどなたか詳しい方に語っていただけるのを楽しみにしたいと思います。

誰のものでもあり、誰のものでもないもの


冒頭に言った通り、原作のマンガを読んでいませんので、どういう展開になってるのか知りません。
しかしこういう仕組みがある以上は物語が進むにつれてナギ様は人気アイドルになり、「誰のものでもあり、誰のものでもない」存在になっていくしかないような気がします。
これは主人公の男の子からすると、結構たまらないものがありますね。
同居してきた、かわいい女の子が、多くの人間に愛されていく。それは女の子本人の望みであるからいいはずなんだけど。
1話で主人公は「神様でもトイレに行くんだな」とつぶやきますが、その後、トイレに行かない存在(アイドル)になっていく。

中身も、信心を得て、神格が上がっていくことで、神性が強まり、人間性が薄くなっていくのも面白いかも知れませんね。
人間臭いところが魅力的なんだけど、それが薄くなっていくし、主人公を特別視するのでなく、土地の人々を平等に扱う意識が強くなっていく。
つまり、「僕だけのナギ」が、「みんなのナギ」になっていく。
でもお話としては、その構図に葛藤を作らないといけないので、主人公(あるいはナギも)はそれに逡巡や抵抗するという形にする。
最終的には、力を取り戻した神(絶頂期のアイドル)としてどうするか、にするとか。引退か、結婚か、仕事か。キャンディーズか、山口百恵か、松田聖子か、中森明菜か。

まあ原作を知らないので、それをいいことに色々考えました。知らないと楽しくあれこれ考えられるので、原作が実際にどういうお話か、という事はどうでもよかったりします。
原作は多分、そんなに神様=アイドルの構図は強くないような気もしますね。アニメのオープニングが80年代アイドル全開なので、どうしてもそう考えてしまうだけでね。

女神転生アイドルサマナー


あと『かんなぎ』見て思い出したのは、昔からゲーム女神転生(メガテン)で、信者を取り合うメガテンがしたいと考えていたことでした。

メガテンは神様(仲魔)がいっぱい出てきますが、それらをうまく使って人々の信心を集め、土地の人々を災厄や悪魔から守り、幸せにするのをゲームの目的にする。

その中で一番人気(信仰)を得るのは誰か。人気を得た神様がパワーアップできる(神格が上がる)。
姿かたちも「神々しく」、巨大になり、畏敬を感じるものになっていく。強かっこいい。

人気を失った神様は消えてしまったり、悪い属性がついたり(貧乏神、疫病神とか)する。神様パワーも衰える。
その代わり、いたずら好きの妖精ちゃんになったりして、姿かたちが「かわいく」、小さくなっていくようにする。
これはグラフィック的にそうなるようにする。雷獣ヌエが、ピカチュウになってしまうような変化。

弱い神様にもメリットがあり、神格が低いおかげで顕現(実体化)するコストが低い(メガテンでいう所のマグネタイト消費が少ない)。
だから、いつも人間のそばにいられる。つまり、いつもサトシにだっこしてもらって、マスコットでいられる。

強い神様は、神格が高いため実体化するコストも高い。顕現できても奇蹟を起こして神様パワーを起こすと実体をたもてなくなり、また消えてしまう。
このため、1年に1回しか顕現できなかったりする。1月1日や、7月7日や、12月25日など、人間の「願い」が最大限に高まる日にしか出現できなかったり。

プレイヤーは芸能事務所の社長のようなものと思ってもいいでしょう。神様はタレントです。
人々のニーズに合わせて、恋愛の神様、商売、健康、勝利の神様などのタレントをそろえる必要があります。
人気アイドルポジションにどの女神を置くか、ラクシュミなのか、ティターニアなのか、キクリヒメなのか。何人かの神様でアイドルユニット「四天王」を結成したり、「七福神」つくったり。

ちなみに『かんなぎ』のナギ様は、神木が顕現したものなので火炎(アギ系)が弱点。
スキルは、ケガレを払うハマ系とあとはテンタラフー?ぺったん胸で物理反射させてもいいですが。
そして最終的にはマハナギダインを覚えればいいと思います(効果はみんなで考えよう)。



※追記
第7話「キューティー大ピンチ!激辛ひつまぶしの逆襲(後編)」が面白かったので追記。

引きこもりの神様


主人公とケンカして押入れに閉じこもったナギを、引っ張り出そうとみんなであれこれするというお話。
内容はこれだけですので、必然的にナギは最後にしか姿を見せません。

これはもう、完全に日本神話の天の岩戸隠れですよね。

天岩戸(あまのいわと)とは、日本神話に登場する岩で出来た洞窟である。
太陽神であるアマテラスが隠れ、世界が真っ暗になってしまった岩戸隠れの伝説の舞台である。
wikipedia「天岩戸」


"てんてるたいしん"ことアマテラスが、不良の弟の凶行に嫌気がさして引きこもりになってしまってさあ大変。みんなで、あれこれ工夫して、アマテラスを引っ張り出すのだ、という説話です。

かんなぎ第7話もまさにこんな感じで進み、キャラクター達が集まって、あれこれ策を試すが上手くいかない。ちょっとエロい事で気を引いて、扉を開けさせようとするところも神話と同じ。

もちろん天岩戸は単にモチーフというだけなので神話とは違い、アマテラスより頑固なナギ様を引っ張りだすことは誰にも出来ずに終わります。結局、扉を開けさせたのは……あれは、トイレ?水に流す。
さすがトイレにいく神様。北風とおしっこ。

そういう意味で、いや、おしっこでなく天岩戸ネタということでは、実に神様らしい回でしたね。
最初は「これは省エネ回かな?それでこのネタは上手いなあ」と思いながら見てましたけど、最後の魔女っ子アニメネタがすごい動いていたので、あれはリソースをあそこに回したということなんでしょうかね。

別に必要以上に神話のメタファーを見ていく必要は無くて、単に普通に楽しめばいいと思う。
実際、今「かんなぎ」で盛り上がってるのは違う部分だし、第7話もクラナドネタが入ってたことの方がキャッチーだ(そっちは言われるまで気づいてませんでした)。
ただ偶像崇拝も含めて、基本構造レベルで意外にちゃんと神様してるので、楽しむための方向の1つとして持っていてもいいかも知れない。



関連リンク
過去のある女性を受け止めるために、用意された通過儀礼<『かんなぎ』と『めぞん一刻』>


PAGETOP

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。