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先日「世にも奇妙な物語 SMAP特別編」が放送してました。
世にも奇妙な物語からSMAP主演のエピソードだけを集めたものです。その中の「BLACK ROOM」だけはもう1度と思い、見ましたよ。

「BLACK ROOM」は、木村拓哉主演、石井克人監督。
キムタクが久しぶりに実家に帰ると真っ暗な部屋だけがあった。父と母が迎えてくれたがどうも様子がおかしい…というお話。
有名なエピソードなので、見たことある人も多いと思うんですが、ネットなどを見ても賛否両論まっぷたつに割れる作品です。

結論から言うと、ラストのオチは、私から言うと「なし」です。
(見てない人もいると思うし、説明する気もおきないオチなので、ネタバレはしません)
あれが面白く「あり」という人もいるのは理解できるのですが、その人とは何か決定的に趣味が違う気がして多分良いお友達にはなれない気がします。

ただBLACK ROOMのネタ自体はすばらしい。大変うまく、かつ魅力的だ。
だから「もったいない」というのが私の評価になる。
世の中には面白くないものの方が当然多いわけだが、中には素材はいいのに料理としてまずくなってしまったような作品も多い。
私は作品がトータルで面白くなくても、良い部分があれば、それだけで十分興味深く、存在意義のある作品だと考えます。
ただ、あまりにもったいない作品が多いので、それを惜しんで、何回かに分けて書き残しておくことにします。

ということで「もったいない作品」シリーズ第1弾は「BLACK ROOM」です。

■BLACK ROOMの面白さともったいなさ

BLACK ROOMの面白いところは何と言っても、タイトルどおり実家のリビングだけに灯りがともり、その周りは謎の暗黒空間に包まれていることにある。
シーンとしては、このリビングのシーンしかないと言って良い。
ここでキムタクがこの真っ暗な我が家について、両親に説明を求めるが、まるで要領を得ない、という会話劇の面白さだけで進む物語。

真っ暗なため、部屋の全体像がつかめない。
母親は、お茶を取りにいくために暗黒空間に走って入っていき、足音が消え、しばらくたってからぜえぜえと息を切らして戻ってくる。
父親は、原付と思われるものに乗って(暗くて見えない)、エンジン音が消えるところまで走って戻ってくる。
「どんだけ広いねん」「どんだけ走っとんねん」という場面。
一番すばらしいのがここだが、何がすばらしいのか。

(1)リビングのシーンしかいらない。しかも周りは真っ暗で何もうつらない(うつさなくていい)。
→大変安く制作できる。

(2)真っ暗なので、音のしかけしかいらない。
→大変安く制作できる。見てる人の想像にまかせることができる。

何がすばらしいって、ここまでエネルギーとお金がかからず、面白い舞台装置を考えたのが何よりえらい。
テーブルとイスしかいらない。コント並の労力で、こんな魅力的な舞台を考えたのはすばらしい。
(ただし、ここで節約した労力を全てオチに使っているかと思うと、やるせない)

いわゆる「CUBE」「SAW」「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」なんかの低予算ゆえに舞台設定に知恵を絞った作品と同じ流れですよね。

ただし、この魅力的な設定を生かしきったとは私は思っていない。
暗黒空間も上記の2つのネタでしかいじらない。ここはもっといじり倒す方が私は好みです。

・電車や車や自転車が通過する。(光と音)
・黒電話が鳴るが、電話が見つからない。
・キムタクが実家の記憶を頼りに何か探すが暗闇に迷う。
・暗闇に消えた両親が、消えた場所とは全然違うところから戻ってきてびっくり。
・キムタクが激高して、モノを投げつけるがはずれ、後ろの暗闇空間に吸い込まれていくが、何かにぶつかった音がしない。
・暗闇の中で何かをイヤなものを踏んづけるが、何を踏んだのか見る気がしない。
・動物ネタ。イヌとかネコとか、あとは鳴き声が特徴的な動物など。
など、ちょっと適当にいくつか考えてみました。

会話劇で進むのは設定上仕方ないけど、BLACK ROOMであることをからめまくった方が好みです。
実際、BLACK ROOMでの会話劇は、暗闇空間である必然があまり無い。多分少し変えれば、別の設定で通用するように思う。これも、もったいないと思っているポイント。
私が石井克人の会話のノリを全然面白く思わない、という趣味の問題もありますが、この設定を上手く生かした会話劇というだけなら、それこそ三谷幸喜やクドカンとかの方が多分面白いものができるんじゃないだろうか。

いっそ同じ「BLACK ROOM」の設定で、5人くらいに短編作らせたら面白いんじゃないだろうか、と思います。
これやれば、ネットでの賛否両論もある程度、決着がつくのではないかと。
なぜなら「BLACK ROOM」は世界観からスタートした物語であって、けして結末(オチ)から逆算したものではないわけですよね。どう考えても。
予算と労力をかけずに面白くする設定が先に生まれて、あとはこの世界観で、どう展開するか、どうオチつけるかを考えていく流れ。
だから、展開とオチは無数に考えられる。石井克人もさまざまなパターンを検討してあのオチを選択したはず(それがやるせない)。
だから複数人に考えてもらって、それぞれ競ったら、色んなBLACK ROOMができて楽しいし、優劣が如実に分かるというわけです。

こうしたさまざまな可能性を秘めた舞台設定を持っているから「BLACK ROOM」はすばらしい。
だから、あのオチだけで全否定する人はもったいないことをしていると思うし、あのオチで全否定をさせてしまった石井克人は罪深いなあ、とも感じます。
私は「BLACK ROOM」がこういう構造である以上、設定とお話は切り離して評価していいと思ってますので、設定は手放しで賞賛します。
お話は…えーと、私の趣味じゃないので…なんというか…その…ち、ちょっとお茶取ってきます…タッタッタ…(闇の中へ消えていく)。
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