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今年見るべきものはだいたい見たように思うのですが、どうにもアウトプットが悪く、もう責任をとって、入水するしかない。

というわけで毎年恒例、1年の記事まとめ。
本来は「おすすめ厳選記事」のはずなんですが、今年は記事数が少なすぎて厳選も何もあったもんじゃない。全部紹介しますので、と、とにかく、食べてみてよ!(味吉陽一)



富野アニメ関連記事


■富野アニメ記事の目次(インデックス)


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(2006/12/22)
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【目次】富野由悠季ロボットアニメ 記事インデックス
このブログの主力コンテンツである富野アニメの記事目録。
とりあえず、ここの記事を読んでいただければ間違いはないと思います。
来年も記事を書けば、ここに追加していきますよ。

■『∀ガンダム』


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惑星の午後、僕らはキスをして、月は僕らを見なかった。<『∀ガンダム』最終話「黄金の秋」より>
今年いちばんアクセス数とブックマーク数を稼いだ記事。
Twitterで記事を紹介していただけたことによる記事の拡散威力を心から実感できた記事でもあります。

■富野ゲーム第二弾(無料です)


【政治家】ほど楽しいゲームはない<ガンダムオンラインゲームのアイデアメモ>
脳内というゲームハードで起動する妄想富野ゲームの第二弾。今回はガンダムオンラインゲーム。
それこそ『ガンダムロワイヤル』というゲームがモバゲーでリリースされたりしましたが、私がガンダムゲームやるなら、地球の豪邸で王族のように暮らしたいですよ。

メビウス(双方全滅)の輪から抜け出せなくて<「富野由悠季シミュレーションゲーム」>
ちなみに第一弾はこちら。こちらは、富野AIガンダムパレードマーチ。

その他アニメ・マンガなど


■『サマーウォーズ』地上波初登場


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8月6日、天からくるもの。<映画『サマーウォーズ』、金曜ロードショーでテレビ初登場>
『サマーウォーズ』については、移り気なわがままジュリエットの私にしては、集中的にいくつか記事を書いたのですが、未だにコメントをいただきます。この地上波放送後もコメントをいくつかいただきました。
それら反響も含めて、もうひとつ記事を書かないといけないかな、と考えていたりします。

■『ドラゴンボール』『マトリックス』『鉄拳チンミ』


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強敵に震えるヤムチャとワクワクする悟空<物語で「恐怖」と向き合う主人公>
年末最後の悪あがきで書いた記事ですが、いくつかニュースサイトに紹介していただいて、多くの方に読んでいただけました。私としては、驚くほど時間かけずに省エネで書いた、いつもと違う書き方した記事です。

Twitterまとめ記事


■『アバター』『龍馬伝』『トップをねらえ!』『バイストンウェル野球』


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アバターと龍馬伝、ほか3本<はてしなく、どうでもいい日々【twitterまとめ】>
Twitterをはじめたのは、ブログ用のネタのメモ&下書きのためで、記事が増えると見込んだんですが、結局、Twitterまとめらしいのは、今年はこれだけ。ネタそのものは色々ストックできたので、来年はそれの効率的なアウトプットを何とかしてみたい。
Twitterそのままでブログにするというのは、サービスが足りない気がして、望まれていないのに持ち前のサービス精神で倍ぐらいに膨らましてしまうから、労力があんまり変わってないんですよね…。

「スポーツ」と「物語」


■「野球」と「サッカー」、二大スポーツの「物語機能」の違いとは?


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スポーツが生み出す「筋書きのあるドラマ」<「野球」と「サッカー」、物語機能の比較メモ>
今年書いた記事で、いちばん仕事したな、というのがこの記事。
「野球」と「サッカー」が持つ、スポーツとしての機能を、どのようにマンガで生かされているのか。
「ガンダム」など、ロボットアニメでのロボットの物語的な機能を考えるのと私の中では同じ。
ロボットアニメではこの方向で結構記事を書いていますが、それ以外でも、いくつかこの系統の記事を書いて、物語機能について検討してみたい。

■世界中の「アレクサンドロス」大集合


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偉大な王の名を継ぐもの<英雄「アレクサンドロス」の系譜>
アレキサンダー大王こと、アレクサンドロスという名前に注目して、世界の有名サッカー選手の中に「アレクサンドロス」を見出してみよう、という企画。
今年唯一のサッカー関連記事なんですが、サッカーファンはこういう記事で喜ぶわけではないという。じゃあ誰が喜ぶのかといえばそりゃ私自身なんだから、それでいいんだけど。



2010年は以上です。
あまり何もできませんでしたが、ご訪問くださった皆様、ありがとうございました。
来年はもうちょっと、幼少期から「やったらできる子」と恐れられていた、やればできる俺を演出してみたいと思います。
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「人々は自らの行為に恐怖した…」とは、『機動戦士ガンダム』の有名なオープニングナレーションですが、私は自分が今年書いたブログの記事数の少なさに恐怖して青ざめましたよ。戦慄のブルーフェイスというか、サカナ偏にブルーディスティニーです。

「さあ、あとは年末恒例の『今年の記事まとめ』をしたら終わりだな」と思っていたけど、そもそも、まとめるほどの記事数がない。焼け石に水…あ、ウォーターですけど、ひとつ記事を書くことにしました。

先日、興味深いニュースを目にしたから、というのもあります。ご紹介しましょう。



「恐怖」をまったく感じない女性


■恐怖をまったく感じない女性、PTSD治療にヒントか

恐怖をまったく感じないという珍しい脳疾患にかかった女性に関する研究が、米科学誌カレント・バイオロジー(Current Biology)に発表された。
論文の主著者、ジャスティン・ファインスタイン(Justin Feinstein)医師は、「人間が感じる恐怖の本質とは、生存本能。恐怖を感じることができなければ、自分の命に危険をもたらす物や状況、人物を避けることができない。彼女がこれまで生きているということ自体が驚きだ」と述べている。
<中略>
S・Mというイニシャルだけで報告されたこの女性は、脳の中で恐怖感を生み出していると考えられている扁桃体(へんとうたい)が破壊された「ウルバッハ・ビーテ病(Urbach-Wiethe disease)」という珍しい疾患の患者で、他の人ならば恐怖を感じる場面で「非常に強い好奇心」を感じるのだという。
<中略>
この女性の20代の息子は、自分の母親が怖がったところを見たことがないという。子どものころに兄弟で遊んでいたとき、大きなヘビが近づいてきたが「母は驚きもせずに、すたすたと近づいていって、道路脇の草むらに放り投げた。信じられなかったよ」
<中略>
女性は30歳のときに強盗に襲われたこともある。体をつかまれ、喉にナイフをつきつけられたが、女性がまったく動じない様子を見てとると、強盗のほうから手を放した。女性はその後、普通に歩いて帰ったという。

AFPBB News - 恐怖をまったく感じない女性、PTSD治療にヒントか


「ウルバッハ・ビーテ病」という珍しい疾患の患者であるこの女性は、恐怖を感じる場面で「非常に強い好奇心」を感じる――つまり「恐怖を感じない人間」であるようです。
幼児と違って、危険かどうかという知識はあるのでしょうか?知識としてはあったとしても、好奇心が勝つので平気で近づく、という感じなんでしょうか?

とても興味深い記事ですが、医師が語るように、恐怖は生存本能と直結しています。恐怖は無事生きるために必要なツールです。
「恐怖を感じない」というのは、一見カッコよく聞こえますが、比較的安全で平和な現代でも、生きていくのは大変なことでしょうね。

それともうひとつ。

小さい頃は暗闇や犬が怖かったという記憶があることから、疾患は生まれつきではないと考えられる。医師らは、この女性が「犯罪を犯したことはないが、逆に、強盗や銃暴力やドメスティック・バイオレンスといったさまざまな犯罪の被害者となってきた」とみている。


という記述の、先天性の疾患ではない、ということが示すこと。つまり、生存本能である恐怖を失うことが、彼女の生存に必要だったのかもしれない、と考えるとやりきれないものもあります。

ですが私はこの記事を読んだとき、不謹慎かも知れませんが、いくつかのことを連想して「面白い」と思いました。
「面白い」というのはもちろん、S・Mというイニシャルの女性の人生についてではなく、そこから連想したフィクションの世界での「恐怖」についてです。
ですからこの「面白い」は、非実在世界の非実在キャラクターを使った実在物語の中に持ち込んで、話を広げることにしましょう。
そこが私のフィールドですから。

「恐怖」に震えるヤムチャと、わくわくする悟空


昔、いわゆる『ドラゴンボール』の戦闘力的な強さでなくて、「恐怖を感じないキャラ」を、危なかっしい感じの「強キャラ」として設定できないかな、と、いろいろ考えていたことがありました。

命に執着が無くて死線を越えるのにためらいが無い、というキャラクター造形ではなくて、恐怖によって生じるマイナスを排除して勝利や成功の確率を上げるタイプ。
「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」という言葉がありますが、「身を捨てた方が浮かぶ確率が高ければ捨てるし、捨てない方が高ければ絶望的でも捨てずに戦う」というのを、恐怖フィルター無しで判断できるという感じか。

しかし、「恐怖」を「非常に強い好奇心」に変換する、というのは、考えもつかなかった。

意味が伝わりやすいので、『ドラゴンボール』で例えてみましょうか。例えば、強大な敵を前にしたとき。

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ヤムチャが恐怖に震える隣で、悟空が「オラ、わくわくしてきたぞ!」と好奇心をあらわにするのは、戦闘力の大小の問題ではなくて、戦闘民族サイヤ人の恐怖に対するシステムが地球人とは違うから、とか考えると面白いかも知れません。

ご存知のとおり、サイヤ人は死の淵から回復することで戦闘力がはね上がる。
そのためには積極的な危機的状況に自分を追い込んだ方がよく、好戦的なサイヤ人の性格はこの身体システムとセットになっている。
つまり、恐怖(生存本能)を押さえて、危機的状況に飛び込んでいかないと、成長機会(死の淵)には辿りつけないわけです。

恐怖を感じないわけではない。恐怖は存在するが、恐怖を脳内で無理やり「強い好奇心」に変換することで、強敵に「わくわく」して向かっていく。
結果命を落とす者も多いだろうが、生き残れば、悟空のように強いサイヤ人が生まれる。
戦闘民族サイヤ人的にはそれで正しい。

一方、地球人は戦闘民族ではないので、そんな便利なシステムは持っていない。
恐怖を感じて、自己を守るために逃げ出すのが生存本能として圧倒的に正しい。ヤムチャ様は悪くない。人間として正しい。

まあ、これはあくまで説明のための例えで、『ドラゴンボール』の公式設定とはなんにも関係ないのですが、悟空の「わくわく」や病的なまでの「強いやつと戦いたい」を、悟空の性質だけでなく、医学的、生物学的背景がある、と考えるとちょっと面白いかも知れないですね。

『マトリックス』での東洋的な恐怖克服の修行


「恐怖」というものは、目の前の物理的な何かではなく、脳内に生成されるものなので、精神的なものを重んじる、東洋的な修行シチュエーションなどでよく題材になります。

『マトリックス』の序盤に、主人公ネオが、電脳世界の街の中でビルの屋上から、ビルとビルの間を飛び越える修行のシーンがありましたね。

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電脳世界なので、肉体が実際に飛ぶわけではない。飛べるか飛べないかは、肉体ではなく、純粋に精神の問題です。自分は飛べると信じられるなら飛べる。
しかし、ネオは「落ちたら死ぬ」という既成概念的な恐怖から、飛び越えることができない。

劇場でこのシーンを見たときに私が思い浮かべたのは、もちろん『鉄拳チンミ』

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ネオと全く同じ修行をチンミは体験しています。まず、小川をジャンプ。身軽なチンミは朝飯前で飛び越えます。
では、と、小川と同じ幅の断崖絶壁に連れていかれるチンミ。チンミのジャンプ力なら飛び越えられることは証明済みですが、「落ちたら死ぬ」の恐怖で飛び越えることができません。

ネオもチンミも、能力的には飛ぶことができるのですが、恐怖によって自分で自分に限界をつくってしまい、クリアできないわけです。

このタイプの試練は、『ジョジョの奇妙な冒険』に言わせれば、

ツェペリ:「勇気」とは「怖さ」を知ることッ!「恐怖」を我が物とすることじゃあッ!


ということで、「勇気」の名のもとに「恐怖」をコントロールすることで、克服することができる流れです。
そして、東洋的には精神によってコントロールができるようになれば、肉体強化をせずとも十分に限界は突破できるのです。

自分にできることと、できないことをきちんと見極め、できることは、いつでも100%の実力が発揮できるように精神で肉体をコントロールできる、というのが理想的な状態になるでしょうか。
できないことの見極めがつかずに飛び込むのは勇気ではない、と、ツェペリさんも言ってますしね。

それにしても『マトリックス』のように肉体が介在しない電脳空間では、肉体は完全に精神の支配下にあるわけですから、極めて精神の影響が大きく、非常に東洋的な空間と言えます。
『マトリックス』でのカンフーは、アクションとしてのスタイル(見かけのカッコよさ)だけでなく、電脳空間との組み合わせ相性も大変すばらしかったわけです。

最近ですと、夢世界を扱った『インセプション』なんかも大変参考になる楽しさがありますので、未見の方はぜひご覧ください。

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「主人公」という病


恐怖に対して、どう向き合い、対処するのか、というのは物語の主人公に求められる資質のひとつで、それは極端にいえば「バカ」じゃないと主人公はつとまらない、ということになります。

ここでの「バカ」とは、もちろん知能指数のことではなく、「バカなこと」ができる人間のことです。
戦略とか確率とかリスクとか身の安全とかあらゆる理屈を超越して、分の悪い賭けに自らの身を投げ出す行動がとれるのはバカしかいません。
しかし、これこそが少年マンガ的な主人公の行動といえます。

『ファイブスター物語』内で、ダイアモンド・ニュートラルという人物が出した、MH(ロボット)テストパイロットの条件をちょっと思い出しますね。
「危険を危険と分かって突っ込む」のではなく、「危険に全然気づかないで突っ込む」(でも切り抜けることができる)タイプ。

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永野 護

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逆に、身の危険に対して敏感なキャラクターは、物語を発生させて駆動させることができないということです。
そういう人間は、そもそも「バカなまね」をしないと解決できないような状況自体を生まないように行動をとります。 現実に私たちも、ヤムチャ的にリスクを回避して生きています。なぜならそれが「賢くて正しい」とされているからです。

ただ、その状況で「わくわくして戦うことを選ぶ」人がいないと、「わくわくするバトル」自体も、その先の奇跡の勝利も発生しないんですよね。

このあたりは、すごく昔ですが、『ジョジョの奇妙な冒険』第三部主人公承太郎と、第四部主人公仗助の違い、ということで記事にしたことがあります。
今見ると、メモ程度でしかない不足感ありありの記事ですが、良ければご参照ください。

これらと記事のきっかけとなった疾患を踏まえて、「主人公の素養というのが医学的に定義されて人体のシステムとして存在してる」という物語にすると面白いかも知れないな。
ちょっと、ツンデレを医学上で定義した『百舌谷さん逆上する』みたいだけど。もしくは『サトラレ』か。

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篠房 六郎

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「主人公」の定義を、「主人公病」のような医学的な病名のある「病人」として設定する。「主人公=病人」。
その病気にも重い軽いがあって、重度患者は世界の問題(恐怖)に対して否応なく首を突っ込まざるを得ない。それは「正義感」や「勇気」ではなく、「症状」のあらわれとしてそうなる。
世界でも救わないと、身体が満足しないから。
「主人公病」の発症者は何人もいて、誰が物語の「主人公」なのかはよく分からない。争いあって、主導権を取りあったりしてもいいのかも知れない。
いわゆる、常識レベルでのリスク計算が全くできない障害?それは欠落なのか、それとも私たち(健常者)が欠落しているのか。
「主人公病」ではなく、(リスク計算用の)「天秤が壊れている病」みたいなニュアンスの名前にするといいかも知れないね。(特に着地点もなく、メモで終わります)



ということで、現実での恐怖から連想して、フィクションにおける恐怖についていくつか書いてみました。
なぜ、こんな記事を書いているのかといえば、それはもちろん、何もしてないのに、あと数日で2010年が終わるという現実での恐怖から逃れるためです。
フィクションの恐怖について考えているときだけ、人はそこから逃れることができるのです。

この記事を読んでいるあなただけは、恐怖に対して、大いなる好奇心をもって向かい合うことができますように。(そして私の記事にも、恐怖でなく好奇心を抱いてくださいますように)
木村拓哉「ユキ!ちょっ、待てよ!……ぶっちゃけ、俺じゃダメか?」

でおなじみ、絶賛公開中のSPACE BATTLESHIP ヤマトは、もちろん『宇宙戦艦ヤマト』を実写映画化した作品です。
ヤマトの目的地は、地球から148,000光年離れた惑星イスカンダル。

『宇宙戦艦ヤマト』の基本的な枠組みは、天竺(インド)にありがたいお経を取りにいく『西遊記』がもとになっているそうですが、ヤマト乗組員の諸君にとっての天竺――「イスカンダル」という名前には、どういう意味があるのでしょう?

「イスカンダル」とは、いわゆるアレクサンドロス3世、わかりやすくいうとアレキサンダー大王のことです。

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(2010/05/21)
岩明 均

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アレクサンドロス3世(アレキサンダー大王)
アレクサンドロス3世(紀元前356年7月? - 紀元前323年6月10日、在位紀元前336年 - 紀元前323年)はアルゲアデス朝のマケドニア王、コリント同盟の盟主、エジプトのファラオを兼ねた人物。
20歳の若さでマケドニア王を継承したあとは「東方遠征」でペルシア、エジプト、インドにも侵攻して大帝国をつくった。いわば逆『西遊記』の人。ヘレニズム文化とセットで教科書でもおなじみ。
(詳細は、Wikipedia「アレクサンドロス3世」でどうぞ)


「アレクサンドロス」の名前は、世界中に広がり、アラビア語・ペルシア語では「イスカンダル」と呼ばれます。
インドにも、この「イスカンダル」の名で伝わったそうで、『ヤマト』は、イスカンダル→インド=天竺という変換で『西遊記』とつなげた、ということになるでしょうか。

ちなみに、インドに伝わった「イスカンダル」は、ヒンドゥー教に入って、「スカンダ」という神様になります。
最高神シヴァの次男にして、軍神インドラに替わって新たな神軍の最高指揮官となるといったあたりに、アレクサンドロスの面影を少し感じたりもできますね。
この「スカンダ」は、仏教に入ると「韋駄天」という神様になります。仏教界の「ぴの」こと、足の速いことの例えに使われることで有名な神様です。
東方遠征をしたアレクサンドロス大王が、ペルシア→インド(ヒンドゥー教)→中国(仏教) と渡ってきて、極東の日本に「韋駄天」として上陸した、と考えると面白いですね。

こうしてみると「アレクサンドロス」という名前を、英雄の名にあやかる人々が伝え、変化しながら世界中に広がり、その版図を広げていったことがよくわかります。

民の守護者アレクサンドロス


そもそも「アレクサンドロス」とは、どういった意味の名前なのでしょうか?

手元にある『世界人名ものがたり』を見ると、こうあります。

世界人名ものがたり―名前でみるヨーロッパ文化 (講談社現代新書)世界人名ものがたり―名前でみるヨーロッパ文化 (講談社現代新書)
(1999/01)
梅田 修

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アレクサンドロス(Alexandros)
Alex-(守護者)と-andros(人民)からなるこの名の原義は「民の守護者」です。
Alex-は、ギリシャ語alexein(守護する)が語源であり、ギリシャ語logos(ロゴス、言葉)やラテン語lex(法)と同じく、印欧祖語*leg-(to speak)に由来する言葉です。ロゴスが、キリスト教では、神の言葉であり、神であり、宇宙の創造者であることをみても、Alex-がその根底において、「支配者」とか「秩序の創造者」を意味することがわかります。


Alex-(守護者)+-andros(人民)=Alexandros(民の守護者)

なんとも、勇敢な戦闘指揮官や偉大なる王にふさわしい名前です。

もちろん、アレクサンドロスという名前は、アレクサンドロス3世(アレクサンダー大王)だけのものではありませんが、この名が世界中で愛されるようになったのは、間違いなくこの偉大なる王のためでしょう。

「アレクサンドロス」のバリエーション(サッカー選手版)


「アレクサンドロス」が、アラビア・ペルシア語で「イスカンダル」に変化していったように、その名は世界各地で変化しつつ愛されています。

この記事では「アレクサンドロス」という名前のバリエーションを、サッカー選手の名前を例に紹介したいと思います。

サッカー選手を例にとるのは、私がワールドサッカーが好きだからということに尽きるのですが、世界中の選手を見ることができるサッカーは、人名的にもバリエーションに飛んでおり、サンプルとしては良い切り口になるのではないかと思います。
また、非常に人気のある人名だからなのでしょうが、サッカーファンならずとも知ってるような有名選手に「アレクサンドロス」が実は多いのですね。

さらにいえば、陣形(フォーメーション)があって、リアルタイムで集団戦闘を行うサッカーは「戦争」のイメージとかなり相性よく重なります。
「皇帝」「将軍」「闘将」といったあだ名からからも分かるとおり、偉大な選手というのは、集団を統率するリーダーに例えられることも多かったりしますので、偉大な選手たちに、戦争に滅法強かった偉大な王の面影を見てみるのも悪くないと思います。

では、世界各地のアレクサンドロスを巡る旅にでかけましょう。
※あくまで、日本語の仮名表記に置き換えたものをベースにしています。

アレッサンドロ(Alessandro)


「アレクサンドロス」は、イタリアでは「アレッサンドロ」に変化します。
アレッサンドロとして、アレクサンドロスの名を受け継ぐ、有名なサッカー選手を紹介しましょう。

アレッサンドロ・デル・ピエロ


Del_Piero
イタリア・セリエA、ユヴェントスのシンボル。ポジションはセカンドトップ。
サッカー全く知らない人に「これは攻める人?守る人?」と聞かれる感じで答えると、攻める人で、さらに点もいっぱい取る人です。
奥様の名前は、ロザリー。…だと、アレッサンドロ・デスピサロになるのですが、残念ながらソニアさんというそうです。

プレイ動画でも貼っておくのでスーパープレイを堪能してください。


アレッサンドロ・ネスタ


nesta
デル・ピエロが攻めるほうのアレッサンドロなら、こちらは守るほうのアレッサンドロ。
元イタリア代表。ACミラン所属。ポジションはDF。
世界有数のディフェンダー(守護者)ですが、最近はケガが多いのが残念ですね。

アレッサンドロ・コスタクルタ


ネスタより前の世代のACミランを代表するディフェンダー。あだ名はビリー。
こす太くる太、と書くと昭和の漫才コンビみたいでいい感じになります。
芸名は「ゆく年こす太くる太」でいいんじゃないかな。師走にぴったりのベテラン、こす太くる太師匠です。

アレクサンドル


「アレクサンドル」はフランス、ロシア、ルーマニアなどで使われている名前です。

アレクサンドル・モストヴォイ


Mostovoi
個人的には「アレクサンダー・モストボイ」という表記の方が親しみがありますが、アレクサンドルの方がロシアでの呼び方に近いことになりますね。
スペインリーグ、セルタのツァーリ(皇帝)。
同じロシア人の選手のカルピンとはセルタでホットラインを組み、「ロシアンコネクション」と呼ばれて活躍しました。ちなみにカルピンは、マ・クベみたいな髪型がステキです。

ロシアでのアレクサンドロスという名前の人気には、ウラジーミル大公アレクサンドル・ネフスキーの影響もあるようです。彼は中世ロシアの英雄として讃えられている人物です。
詳しくは知らないので、詳しくはWikipediaでも参照のこと。

アレクサンドロスとアレクサンドル、ロシアでは2人の英雄にあやかる名前になっているようですね。

アレクサンドル・フレブ


Hleb3
ベラルーシ、ミンスク出身のサッカー選手。プレミアリーグ・バーミンガム・シティ所属。
ベラルーシは、ソビエト連邦より独立した国なので「アレクサンドル」を使っているようですね。
ドイツ・ブンデスリーガのシュトゥットガルトで活躍したあと、イングランド・プレミアリーグのアーセナルに移籍し、活躍しました。

アレクサンドル・ソング


カメルーン・ドゥアラ出身。ポジションはMF。アフリカ人のアレクサンドロスということになりますね。
フレブとは、アーセナルでチームメイトの時期もありましたので、そのときは、2人のアレクサンドルが在籍したことになります。

アレクサンダル(アレクサンデル)


クロアチア、セルビア、マケドニア共和国、ブルガリアなど南スラヴ人に見られる名前だそうです。歩くサンダル。
サッカー選手はいることはいるのですが、ここに並べるぐらいに有名な選手は見つからず。

アレクサンデル・ヴェンツェル


ハンガリー出身のスロバキア人サッカー選手。ポジションはゴールキーパー。チェコスロバキア代表として25試合に出場した。
1944年生で、2010年現在66歳ということで、さすがに存じ上げませんが、ハンガリー人のヴェンツェルだ、と思って。『マヴァール年代記』的に。

マヴァール年代記(全) (創元推理文庫)マヴァール年代記(全) (創元推理文庫)
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アレハンドロ


スペインではアレハンドロ。
探しましたが、意外とスペインでは見つからず。南米、特にスペインの植民地であったアルゼンチンの選手に多く見つかります。ただ有名選手の場合、ファーストネームでないことが多いのですが、この際それでも紹介します。

ハビエル・アレハンドロ・マスチェラーノ


Mascherano
アルゼンチン出身。駒沢大学。内野手。プレミアリーグのリバプールで活躍し、現在FCバルセロナ。
アルゼンチン代表でも活躍し、南アフリカ大会ではディエゴ・マラドーナ監督にキャプテンに指名されました。

アルバロ・アレハンドロ・レコバ・リベロ


ウルグアイ出身のファンタジスタ。イタリア、インテルなどで活躍しました。
東アジア人のような顔立ちをしていることから、チーノ(el chino = 中国人)の愛称があります。
スペシャルな左足の持ち主でしたが、現在は現役を引退しています。

あと『機動戦士ガンダム00』にも、アレサンドロさん出てましたね。そういえば。

アレクサンダー(アレキサンダー)


英語圏、ドイツ語圏において使用される名前。日本では、アレクサンダー、アレキサンダーはわりと馴染みのある呼び方ですね。ファイナルファンタジーにも、アレキサンダーで登場していました。
ひとり(後述)をのぞいて、そこまで大物はいない感じ。なのであっさり風味。

アレクサンダー・バウムヨハン


ドイツ出身のMF。姓名あわせてかっこいい。さすがドイツ人。
現在シャルケ04所属ですので、日本代表内田篤人のチームメイトということになりますね。

アレクサンダー・ツィックラー


ドイツ出身のフォワード。バイエルンで活躍。というかケガ方面で主に活躍。

アレクサンダー・マニンガー


オーストリア出身のゴールキーパー。あだ名は「ゼット」。口癖は「やりやがったな、こんちくしょう!」

アレシャンドレ


ポルトガル語圏での名前。南米でブラジルだけがポルトガル語圏なので、ブラジルのサッカー選手につけられる名前ということにもなります。

アレシャンドレ・ロドリゲス・ダ・シウヴァ(アレシャンドレ・パト)


250px-Pato_Emirates_Cup_2010.jpg
ブラジル出身。ACミランに所属のフォワード。長い名前ですが、あだ名の「パト」で呼ばれます。
17歳でクラブワールドカップに出場し、日本でプレイしたのでそれで覚えている人もいるかも知れません。
『西部警察』における舘ひろしに相当し、団長(渡哲也)に「パト!」と奴隷のように働かされるのです(これをパトレイバーと言います)。

ブラジルはアレッサンドロもよく使われているそうで、われわれに身近なブラジル人アレッサンドロといえば彼でしょう。

三都主アレサンドロ


日本代表のアレクサンドロス。ブラジル生まれHIPHOP育ち。サッカー上手いやつはだいたい友達。
純粋な日本人でのアレクサンドロスというと、やはり荒木三太夫(『龍馬におまかせ』)になってしまうのでしょうか。

イスカンダル


冒頭で紹介したとおり、アラビア語・ペルシア語での呼び名。
この名前を持つ選手もいろいろいるみたいなんですが、誰もが知ってる有名選手というのは残念ながらいないようです。チャンスです。今なら、イスカンダルといえば彼、と呼ばれることも可能な狙い目物件です。

アレックス


「アレックス」は、「アレクサンドロス」に由来する名前の短縮型なので、ここまでに登場した選手たちの多くの愛称でもあるのですが、サッカー界でアレックスといえば、なんといってもこの方です。

サー・アレックス・ファーガソン


alex
本名アレクサンダー・チャップマン・ファーガソン。
スコットランド出身で、マンチェスター・ユナイテッドの監督。
ナイトに叙勲されたことにより「サー」をつけて呼ばれ、愛称は「ファギー」。あだ名は「ヘアードライヤー」(気が短く、真っ赤に激怒するため)。
20年以上、マンチェスター・ユナイテッドの監督をつとめており、まさに「ディビット・ベッカムは、わしが育てた」の人。
強烈な父性をもつサッカー界の名物監督。

あとは、プレミアリーグ・チェルシーに、アレックス(ブラジル出身。DF)がいます。

ガンダムファンには、OVA『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』に登場する「ガンダムNT-1」の愛称ガンダム・アレックスが、なじみ深いでしょうか。
これをガンダム・アレクサンドロスと考えると、いろいろ他のバリエーションが考えれそう。ガンダム・パルメニオンとかガンダム・プトレマイオスとか。…プトレマイオス?
ガンダムでプトレマイオスって、どこかで聞いたな、と思って検索したら、『機動戦士ガンダム00』に出てくる味方の旗艦でした。

個人的には「アレックス」といえば、セガが誇る人気マスコットキャラクター「アレックスキッド」です。

一般的な略称はアレク。フルネームは「アレックス・キッド・オサール」で、これは「オサール家の王子」を意味している。アリエス星という惑星に住んでおり、マウンテン山で「ブロッ拳」という奥義の鍛錬に励んでいた。好きなものはおにぎり。(Wikipedia「アレックスキッド」より)


おもしろプロフィールなので、もう何もいじりようがない。

アレキサンドリア(アレクサンドリア)


この名は、都市の名前としての方が有名ですね。
王の名を冠されたこの都市は、世界各地につくられたそうですが、もっとも有名なのはエジプトのアレクサンドリアでしょう。
アレクサンドリア図書館といえば、『Civilization(シヴィライゼーション)』プレイヤーにはその恩恵はおなじみですし、マスカット・オブ・アレキサンドリアといえば、みんな大好きぶどうの品種、愛してマスカットになります。

ガンダムファンは『機動戦士Zガンダム』に出てきた、宇宙戦艦を連想するのではないでしょうか。
ティターンズの足利義満こと、ジャマイカン少佐がダニンガンしてた戦艦です。

人名にも使われているようですが、有名選手はいない模様。
スコットランド出身のスコット・カスバート選手は、アレキサンドリア出身みたいです。彼はセルティックに所属していたこともあって、中村俊輔とも同時期に所属してたみたい。

アレキサンドリア・ミート


meet
超人界一の知将こと、閉門クラッシャーこと、アレキサンドリア・ミートです。
はちゃめちゃいそがしスーパーヒーローをお目付け役として支え続けます。
有名なサッカー選手見つからなかったので、ミート兄さんにオチ担当をお願いしました。
今、Wikipedia見たら、家系図が載ってたんだけど、アレキサンドリアは姓なんだね。ミートが名前で。
サッカー選手じゃない上に、名前でもないや。王子!王子ー!(松島みのり声で)

まとめ


というわけで、「アレクサンドロス」の系譜と題して、サッカー選手を例に世界各地での名前の変化を見てみました。いかがだったでしょうか。
デルピエロや三都主アレサンドロあたりは、サッカーに興味が無い人でも知ってるんじゃないでしょうか。
一応、サッカー知らない人でも楽しめるように工夫(悪ノリともいう)してみたつもりです。
サッカーファンの方には開き直るその態度が気に入らないかも知れませんが、大目に見ていただければ幸いです。
また「この有名選手がいない!」というのがあれば教えていただければ善処したいと思います。

今回はサッカー選手ということで、省略しましたが「アレクサンドラ」など、女性名でも広く使われているので、いかに人気のある名前かということがわかります。ガンダムとも結構関わりがあったりもして。
英雄の名前にあやかって、自分の子どもに名付けるという親心が、ここに紹介したように、サッカー界だけでも多くのすばらしい「アレクサンドロス」を今も生み続けているわけです。
サッカー界にすばらしい「アレクサンドロス」が登場したら、ここに付け加えていきたいですね。

現代の日本ですと、歴史上の英雄というよりも、マンガやアニメの人気キャラクターの方が影響力が強いんでしょうね。それは後世でなんと分析されるのでしょうか。さて。

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