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富野アニメは、リアルロボットアニメと言われますが、とことんドラマ優先主義なのは言わずと知れたことですね。
それがよく分かるひとつの例として、戦場でのコミュニケーション場面の作り方があげられるでしょう。

ロボットアニメの戦争を普通にやろうとすると、宇宙で敵味方に分かれたロボットが、ビームライフル撃ち合っている絵面にしかなりません。
その間に敵側、味方側のドラマを交互に挟むだけでは単調ですから、敵と味方の間に直接ドラマをつくりたいところ。しかし舞台は宇宙で、お互い鉄のハコに閉じこもって、殺し合いをしているのですから、なんらかの工夫をして、コミュニケーションを取る必要があるわけです。

ロボットアニメというフォーマットを取る代わりに、自由に好きなドラマを入れてきた富野監督は、最も戦闘中でのドラマ作りに工夫してきた一人といえるでしょう。
というわけで、富野アニメにおいて、どういう工夫で敵味方間のコミュニケーションを生み、ドラマが作られているのか、考えてみると面白いですよ、というのが今回の話。

…なんですが、それをちゃんとやるには、主だった作品を見直してチェックする必要があります。
ですから、とりあえず、今回はそれをやるための単なるメモです。忘れないようにメモ。

しかしそれだけでは寂しいし、再見チェックする前の印象を残しておいたり、チェックポイントを考えておくのも悪くないので、主だった富野作品での「敵味方間コミュニケーション」を一通りメモしてみることにしました。

まず、基本テキストとしての「機動戦士ガンダム」から。



「機動戦士ガンダム」での敵味方間コミュニケーション(メモ)


ファーストガンダムは、それまでのロボットアニメのアンチまたは進化の意味合いがあるので、むしろ「敵味方コミュニケーションが自由に(都合よく)取れない」という面白さを追求した作品でもあります。

赤い彗星さん
前半、アムロはシャア個人とは接触なし(シャアの潜入はあったけど)。
「赤い彗星」、「白いやつ」「木馬」とお互いが呼び合うだけの関係。
恐らくお互い素性を知らない同士で会話もなく、あだ名で呼び、戦い合う状態が、戦争アニメとしては面白かったのではないか。

イセリナ
自分に殺意を向けてくる敵としてアムロが視認する。だがガルマとアムロの接触はないので、アムロには訳が分からない。分からないのだけれど、人殺しをしている以上、知らない所で恨みを買っていることが分かる。

再会、母よ、時間よとまれ、ククルス・ドアン
メインストリームとは別だが、それぞれのシチュエーションでジオン兵とアムロが接触している回。出会うジオン兵に幅を持たせて、全てパターンが違うのが上手い。Zにはこういう話が無いな。ファーストに関しては全話での敵との接触(会話)表を作っても面白いかも知れない。

ランバ・ラル、ハモン
初めての接触イベント。アムロが初めて倒すべきものとして認識する敵。前半では、敵とのドラマは、シャアでなくランバ・ラルが受け持っている。
酒場での偶然の遭遇。この時のアムロが脱走状態(でありながらジオンを追っている)で、敵と出会っても不自然ではないようにしている。
グフとの格闘戦後、コクピットの隙間からお互いの姿を認識。ゲリラ戦でのランバ・ラルとセイラの再会。

黒い三連星
接触なし。アムロは自分が倒したのが「黒い三連星」ということすら知らないのではないか。
ドムは受け取ったばかりで、トレードマークでもなんでもないし。

ララァ
サイド6での宿命の出会い。中立コロニーという設定は敵味方が自由に接触できるという面で重要。
アムロがシャアと対面するのもここが初。シャアはアムロへ自己紹介。
シャア「私はシャア・アズナブル。見ての通りの変態だ」
挙動不審で何も言えずに去るアムロ。それを不思議がるシャア。
ララァ「(くすくす)怯えているのですわ。大佐が全身真っ赤でそんな仮面とヘルメットをかぶっているから」

「ニュータイプ」という道具を使って、戦場でモビルスーツに乗ったまま敵とコミュニケーションをとる、という演出がスタートする。ランバ・ラル戦でやったように、コクピットを壊して、お互いが誰と戦っていたのかを視認する必要がなかったことに注目。(詳しくは、過去記事「ニュータイプほどステキな戦争の道具はない」を参照されたい。)

ギレン、キシリア
アムロは最後までザビ家とは接触なし。ガルマは知らないし(倒したけど)、ドズルは最後に姿だけ見ました。主人公が敵ボスと直接あいまみえるのはファースト以降。

ファーストについては、こんな感じでしょうか。
呼び名が敵にも伝わるエース、敵が同じ人間であることを示すさまざまな兵士達との接触、そして最初の倒すべき敵ランバ・ラルとの接触が前半。
後半は、ニュータイプの覚醒によるララァとのコミュニケーションが来るので、敵との接触の意味合いはこれ以降、かなり変わってくる。

設定的には、敵と出会い、会話するのが不自然でないような中立状態(アムロ脱走、中立コロニー)をうまく利用しています。
セイラとシャアの出会いが何回かありますが、こういう中立状態での出会いではなく、全て同じような戦場での偶然遭遇パターンにしてますね。
この2人は兄弟なので、戦場で敵味方状態のまま遭遇する必要があるからかな。中立状態で会うと単に家族の再会になってしまうし、別れるタイミングも作りづらいから。

ファーストガンダムは、基本テキストとなりえるので、丁寧めにやりましたが、以降の作品はざっとメモする程度にしておきます。

その他の富野アニメ 敵味方間コミュニケーション(メモ)


■イデオン
合体メカなので、複数人のパイロットが乗るため、会話には不自由しない。
ただ、スケールが大きすぎて、戦闘中に敵重機動メカとコミュニケーションというのはしづらい。
イデの力は、そんな中で便利に使われることも多い(テレポート能力が特にそう)。

■ザブングル
地上戦+自動車(ウォーカーマシン)。自動車の特徴はそのまま使える。
「助手席に、相方を乗せてコミュニケーションが取れる」
「地上なので、窓開けて戦っている相手とコミュニケーション」
そういう意味で、宇宙を中心としたロボット物と比べてドラマが作りやすい。ニュータイプもいらない。
艦隊戦でも同様で、下手するとブリッジ同士で直接罵り合いをしたりできるので、コミュニケーションには困らない。

■ダンバイン
コクピットにチャム・ファウ入れることで、コクピット内を2人にして会話を成立させる。
オーラ力や霊力で、エレ「ショウ!いけません!」的なニュータイプと同じような効果も使っている。

■エルガイム
リリスはしゃべらないので、コクピット内は会話なし。
ライトセイバーがあるので、人間vs人間の戦闘シーンが多い。

■Zガンダム
カミーユが「レコアさんが危ない」といって勝手に飛び出したりする。
ホンコンシティでフォウに出会って、サイコと戦い、かばわれてフォウが死ぬ(ララァにおけるシャアとアムロを両方体験したみたいな感じですね)
サラは捕虜になったり、コロニーでアイス食べたり、敵味方間での出番が多い。あとロザミィ。
最終決戦時は、劇場でボスキャラ全員集まってディベート大会。
あそこでモビルスーツを降りる意味は、戦争上は全く無いが、物語的にはある。
あるけど、自然な流れかと言われれば、そうでもないんだけど、いい舞台作りだとは思う。

■ZZガンダム
特になし。しいて言うなら、いつもなら味方側にまでは引っ張ってこれない強化人間(プル、プルツー)を戦闘中に味方へ引っ張ってきたところぐらいか。
あ、あとはZガンダムから通して言えるのは、いかにブライトが便利な艦長かということだろう。
カミーユやジュドーが何かを感じて出撃したりするのを、その勘を信じて、かたっぱしから許可出すのがブライト。
普通に軍事的観点からすればありえないんだけど、ブライトが許可すると、劇中人物にも、視聴者にも良い判断(「さすがブライト」)に見える。
なぜならホワイトベースでアムロ(ニュータイプ)と1年戦争を戦い抜いた伝説の艦長だから。
ニュータイプに、軍隊内での自由度(自由なドラマ展開)を許してるのが、伝説の艦長ブライトだとも言えるだろう。すごく便利な人。

■逆襲のシャア
コロニー・ロンデニオンでのシャア(白馬)とアムロの接触。クェスをシャアにさらわれる。
終盤では、アムロがνガンダムを降りてアクシズ内部に入り、シャアも律儀にサザビーを降りてこれを追い、肉弾戦(をしながらディベート)。1年戦争のフェンシングの再来。
とにかく全編、戦いながらディベートの印象。

■F91
ポイントは、敵味方に分かれたシーブックとセシリーの戦場での接触シーンか。
セシリー「その息遣い、シーブックでしょ!」
のセリフで、戦っている相手に気づくシーンはどうしても違和感があり、TVシリーズだったらどうのようにでも自然な展開に出来ただろうにと悔やまれる。
後の展開を考えると、セシリーとシーブックのニュータイプ能力での察知にする方がガンダム的には自然だろうが、残念ながらこれは映画で、彼らは映画で初登場したキャラクターであり、モビルスーツに初めて乗ったのは何分前だっけ?になってしまう問題がある。

■Vガンダム
前半戦においては、コアファイターの活躍もあって、色々面白い使い方が多い。
ファースト以降では珍しく、ゲストキャラ的な敵パイロットとの交流回が多い。
ザンスカール本国に行ったりもする。敵側と味方側を行き来するシャクティの役割と必要性を再見時には注意しないといけないな。

■ブレンパワード
主人公が初期に敵側に所属し、そこから離反して始まる物語。ショウ・ザマパターン。
これにより、敵側は全て主人公にとって知り合いとなっている。
見直していないので、あまり何とも。コクピット開けコミュニケーションが多いようなイメージ(基本、地上戦のみだからか)

■ターンAガンダム
ロランは月側の人間だが、2年地球で過ごして地球大好きなので、どちらの勢力にも顔を突っ込める。地球側へ入るディアナのサポート役(従者)として最適のプロフィール。
かなり濃密な敵味方の触れ合いがあり、ブルーノ、ヤコップは元より、のちのコレン軍曹、共通の敵にしてラスボス、ギンガナムを出したことによるディアナ・カウンターとの共闘など、敵も味方もない。ブルーノ、ヤコップは要するに紳々、竜々(人形劇三国志)なんだけど、こういう敵も味方も関係ないキャラが便利かつ有効なんだよね。富野アニメでまともに出たのは彼らが初めてじゃないのかな?

■キングゲイナー
地上戦のみ。ガチコやガウリ隊なんかはそのまま直接声でコミュニケーションを取れる形。
ターンAと同じく、敵味方が同居する場面が多く、そこが魅力的。
よく考えると戦闘中での言葉のやりとり(通信)がどうなってるのか良く分からない。でも、それでいい。
これは再見時に確認したいのだけど、会話として見れば自然につながっているけれど、厳密に(ファーストガンダム的に)、戦闘中の敵味方の通信として考えると、つながっていなかったりするんじゃないだろうか。つまり、あくまで視聴者が見るドラマの流れとして会話がうまくつながっているだけで。
もし、そうなっているならすばらしい。ファーストの敵味方で会話ができず、お互いを「木馬」「白いやつ」、「スカートつき」「とんがりぼうし」と呼ぶアニメから始まって、それをやりきった後に、リアリティではなく、ドラマ最優先の会話劇に行き着いているのかも知れない。
これは書きながら思っただけなので、実は間違っていて、会話はきっちり矛盾無くつながっているのかも知れません。再見時の確認してみたい所としてあげておきます。

以上。

富野アニメ 敵味方間コミュニケーション 基本パターン(メモ)


戦闘中でのコミュニケーションには、いくつかの基本パターンがありますね。

コクピットに複数人を入れて会話できるようにする。
(複座式、妖精、助手席、救助・輸送など緊急的な措置)
 →ロボットの手に人間を乗せるのも、このバリエーション

コクピットを開けて会話(相手に姿をさらす)
(戦闘による破壊。自分から開ける、など)

モビルスーツを降りての会話
(アムロvsシャアの肉弾戦。Zラストのように複数人参加の同時会話シーンなど)

機体の接触によるコミュニケーション
(お肌の触れ合い回線。基本的に味方同士のみ)

ニュータイプ能力によるコミュニケーション
(相手パイロットが誰かを察知、メッセージを察知。離れた相手と会話など)


その他の交流手段

敵勢力への潜入
(シャアがかなりの回数行っており、その度にセイラに見つかる。)

中立状態で接触させる
(中立コロニー、脱走アムロ、変装しばしば女装など)


これらも、とりあえず思いつくものを基本パターンとしてリストアップしてみました。
再視聴の際に、他のパターンや、それぞれのパターンの使い分け、役割なんかも考えてみたいですね。



ちゃんと調べながらみると面白いと思うんだけど、この目的だけでみるのもしんどいので、他の目的とも組み合わせて、いくつかのチェック項目をつくってから見ることにしよう。
とりあえず、「主人公の名前が初登場するのはいつか?」というチェックは一緒にするつもりです。

今回はあくまでメモレベルで申し訳ないのですが、ある程度調べたら、まとめ記事でも書こうと思います。
というか、もしすでにどなたかがやっていたり、そういう書籍でもあれば、喜んで見たいんですが無いでしょうか?あったらいいな!なければやるしかないけども!


※余談
コードギアス第一期後半で、ルルはC.C.と2人で、複座式ナイトメア(ロボット)であるガウェインに乗りましたが、あれは素晴らしかった。戦闘中に動きながらでも、この2人が会話できるから。第一期ラストの名場面の数々(ルルが絶対に死なない魔女に「…死ぬなよ」と言って別れるとか)もガウェインあってこそ。
R2最終戦では、ルルとC.C.とは何にもイベント、会話すら無かったのが残念でしたが、複座式が無かったからやりようが無かったような気がします。C.C.が最終戦で途中で意味無く盾取りに帰ってきましたが、あれは最後の会話シーンつくるためなんじゃないかと私は感じました。
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